7話：お喋りウォーキング！ ページ9
おはようと言う声がそこら中に響く。
眠そうな声、元気な声。私の知らない人達ばかり。
松風「Aは、部活とかしてなかったの？」
貴方「わからないの。何も思い出せなくて。」
松風「そっかぁ。大丈夫！絶対思い出して、Aが帰れる場所が見つかるから！ねっ、元気だして！」
貴方「ありがとう、天馬くん。」
底なしの優しさ。出会った時から何度も救われている。
松風「そう言えば、Aは2年なんだよね。学年が違うと、あまり会えないかなぁ。」
貴方「そうかも…。あの、2年生は誰がいるのかな……？」
松風「神童先輩や、霧野先輩、倉間先輩、速水先輩、浜野先輩！あとは錦先輩とその他にも！……あっ！マネージャーなら、水鳥先輩と、茜先輩！沢山いるし、みんな良い人達だよ。」
貴方「そっか、なら安心かな。」
松風「ねぇ、お昼ご飯は一緒に食べようよ！今日は天気も良いし、中庭でなんてどう？」
貴方「いいね。秋さんのお弁当楽しみ。」
他愛ない話をしながら、サッカー棟を目指す。
昨日は不安でいっぱいだったのに、
今日は何だかワクワクが止まらない。
それに、知らない場所も
少し寂しくはあるけれど、悪くないかもしれない。
松風「おはようございます！」
神童「早いな、天馬。」
松風「神童先輩こそ！」
貴方「おはようございます。神童……さん。」
神童「そんなに畏まらなくていいさ。同い年だし、気軽に接してくれ。」
貴方「じゃあ、神童くんで。」
神童「ああ、おはよう藤咲さん。」
松風「Aは監督と会った方がいいよね。まだ来てませんか？」
神童「いや、恐らくもうグラウンドにいるだろう。行ってみればいいんじゃないか？」
松風「よし、A行こう！」
貴方「あ、うん…！」
すれ違う部員に挨拶をしつつ、
円堂監督と話すためにグラウンドへ向かう。
神童くんは、同い年と思えない程大人びていたなぁ……なんて考えていると、天馬くんが声を上げた。
松風「円堂監督！おはようございます！」
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月18日 23時
