5話：隠蔽フィーリング！ ページ7
天馬くんの部屋で話し込んでいると、
「2人とも、ご飯よ！」と秋さんが声をかけてきた。
その後、秋さんの手料理を食べ、
談笑し、風呂に入って
私は提供された部屋へと戻ってきた。
その間、特に何も思い出すことも無く、
暇なので、カバンの中の教科書とノートを眺めていた。
それは社会科のノートで、メモもあるし
それなりに分かりやすいものだった。
でも、このノートもとった記憶が無い。
自分のモノのはずなのに、何故だか他人事みたいだ。
貴方「……どうしてこんな事になったんだろう。」
天馬くんと歩いた街並みは、見たことの無いものばかりで、直感的に私はここの人間では無いと思った。
もっと遠くから来たのかな？何も分からない恐怖に襲われる。
貴方「……はぁ。」
夕食の時、秋さんが言っていた。
円堂監督が、雷門中の校長と交渉してくれたことで、私が本来の記憶を取り戻し、元の生活に戻るまで、あの学校へ通うことを許可すると。そして、家はここを提供してもらうことも。
色々してもらっているのに、私は何も返すものがない。
中学生では働けもしないし、迷惑ばかりかけている。
明日、円堂監督と少し話したい。
自分にできる事があれば何でも良いから役に立ちたい。
貴方「……ここの人達は優しい。みんな良くしてくれるし、いい人ばかり…。でも、やっぱり一人は寂しいかな…。」
これから何が待っているのか、ドキドキして
楽しみな反面、不安も沢山ある。
寂しい気持ちは隠そう。みんなに、これ以上迷惑をかけないように。
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月18日 23時
