31話:痛感アングザイエティー! ページ33
雪村「サッカー初心者?それでマネージャーが務まるのか?」
貴方「!」
私と雨宮くんの話を聞いていたのか、雪村さんが割って入ってきた。
雪村「オレ達は強くなるためにここへ来たんだ。お遊びじゃない。サッカーをろくに知らない奴が、マネージャーなんてできるはずがない。」
雨宮「雪村くん!そんな言い方しなくても!」
貴方「良いの、雨宮くん。…本当の事だから。」
雪村「ふん。精々足を引っ張るなよ。」
吹雪「雪村!」
白恋中のみんなと、吹雪さんは
雪村さんの後に続いて広間から出ていってしまった。
雨宮「あまり気にしちゃダメだよ、A。」
貴方「……ううん。みんなが本気でサッカーに向き合ってここにいるのに、私は…。」
自分なりにサッカーを知ろうとしてきたけど、あんなのじゃ全然ダメなんだ。雪村さんの言う通り、足を引っ張る要因なんだ。
貴志部「……A。」
貴方「あ、貴志部くん!この前はありがとう。同じチームだったね。」
雨宮「2人は知り合い?」
貴方「うん、少しね。」
貴志部「雪村は、根は悪いやつじゃないんだ。キツく聞こえるかもしれないけど、Aのことを心配してのことだと思うから。」
貴方「……心配かけてごめんね。私、みんなを支えられるように頑張るから。それじゃ、今日はゆっくり休んでね。」
私は逃げるように広間を抜け出した。
気にするな、なんて言われても
あの言葉が脳裏から離れない。
本当のこと、だからこそ悔しい。
割り当てられた一人部屋で、
荷物を開けて、本とノート、筆記用具を取り出して、すぐさま机に向かった。
一週間前から作り始めたサッカー研究ノートと、選手研究ノート。
2冊を開いて、サッカーの基礎や、選手データを見る。本も見比べて、フォーメーションや必殺技についても復習。
音無先生に借りたホーリーロードのビデオを見返しては、気付いたことや、疑問点をその都度ノートに纏めて調べた。
このノートを参考に、今日から頑張ろうと思ったのに。出だしから、白恋中との関係は劣悪。挙句逃げてくるという始末だ。
貴方「……サッカーって難しいな。」
本のページを捲りながら、一つ一つ読み込んで、分からない箇所があればその度に調べた。
貴方「みんなとの差を埋めないと……早く。」
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年2月18日 23時