23話:厳しいオピニオン! ページ25
それから1週間。みんな自分なりに勉強をして
いよいよテスト期間に入った。
私も、頑張って勉強したし…大丈夫なはず。
テスト最終日の、最後の科目が終わると
クラス中が脱力した空気に包まれた。
貴方「はぁ…もうダメ…。」
神童「大丈夫か?」
貴方「あ…神童くん……。何だか余裕そうだね。」
神童「余裕ってわけじゃないけど、それなりに…な。」
貴方「やっぱり数学が不安だなぁ…。補習になったらどうしよう。」
霧野「大丈夫だって。みんなで無事に合宿行けるといいな。」
倉間「問題は1年だろ。」
貴方「た、確かに…。」
昨日も天馬くんが「オレもう無理だ…。」なんて言って、夕食を食べながら英単語の暗記をしていたっけ。
貴方「あ…。私、円堂監督に呼ばれてたんだった。ごめん、もう行かなきゃ。」
神童「そうか、お疲れ様。時間があったらサッカー棟も覗いてくれ。1年達が喜ぶだろうし。」
霧野「監督補佐は大変だな。頑張れよ。」
倉間「走ってコケるなよ。」
貴方「はい!」
テスト結果が心配だけど、今は目の前の仕事を頑張ろう。
貴方「まだ少し時間あるし、借りた参考書返しに行こう。」
先に図書館に寄ってから行こうと、角を曲がると
別クラスと生徒とぶつかってしまった。
貴方「あ…ごめんなさい。」
参考書を拾い上げて、その場を去ろうと来た時だった。
ぶつかってしまった女の子3人の
ヒソヒソと話す声が聞こえてきた。
「あの子でしょ?突然変な時期に転入して来て、サッカー部に入ったのって。」
「お金の使い方も知らないって噂だよ。あの歳にもなって恥ずかしいよね。」
「どうせ、サッカー部に入ったのもチヤホヤされたいからじゃないの?神童くん達と同じクラスって聞くし。優しくされて勘違いしたんじゃない?」
確かにそう見えるかも…。どんな事情があっても、他の人からの意見なんてそんなものだ。
参考書を握りしめて、図書館まで走る。
分かってた。私が一番、理解していたことなのに。
迷惑ばかりかけているし、みんなの優しさに漬け込んだ。周りから見たら、チヤホヤされているって評価は妥当だ。お金の使い方さえ知らないのだって、世間的にはおかしいことだ。
私への風当たりが強いなんて…初めから分かっていたのに。
実際にそのことを耳にすると、心臓がズキズキと痛む。
貴方「……こんな気持ちは隠そう。みんなに心配、これ以上かけたくない。」
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年2月18日 23時