君を守り抜く。ー20ー【妖怪ウォッチ】 (ページ39)

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８６７話：何も無いページ39

声の主が誰なのかさえ分からないのに、
危機感も覚えず、私は質問された内容をずっと考えていた。

私に出来ることなんて、あるのかな？
みんなに守られてばかりで、私は何ができる？
医療の知識も浅い、力もない、鬼のことも知らない。

貴方「……私にできることなんて、無い…。」

『そうだ。お前一人でできる事など何も無い。しかし、お前には秘めたる力がある。』

貴方「力…？」

『我が名は春火。今はお前の御魂に宿っているが、お前が力さえ付けることが出来れば、我は前線に立ち戦うことが出来る。お前の力になれる。』

貴方「どうすれば、その力をつけられるの？」

『今よりも更に、強い鬼になれ。その程度では、我を受け入れられまい。』

貴方「強い鬼…。血を飲めってこと…？」

『そうだ。血が濃ければ濃いほど、強くなれる。しかし、そこらの本家鬼の血を飲むだけでは、我ら鬼の祖と同じ力を得るのは難しいがな。』

貴方「どうすればいいの…！」

『純血の鬼の血を飲むのが早い。』

貴方「でもそんなの、周りには…！…酒呑童子……。」

『そうだ。あの者の血ならば、お前は更に強くなれよう。』

声はその後、突如聞こえなくなった。
酒呑童子の血を飲む…。それがどれほど難しく、そして危険なことか…。

貴方「……次に会えば、始末される…。酒呑童子の記憶だって改竄されているはずだもの…。」

でも、それだけしか手段がないというのなら…。

ー大ガマsideー

突然、道場に来た土蜘蛛は
オレを無理矢理引っ張り出した。

女郎蜘蛛の研究室へつくと、待ってましたと言わんばかりに採血される。

大ガマ「ったく、急になんなんだよ…。お前ら、Aから色々聞いてたんじゃねぇのかよ？」

女郎蜘蛛「終わったわよ。鬼のこと、更に詳しく知れたわ。アンタ達が黙っている事もね。」

大ガマ「……酒呑童子のことかよ。」

土蜘蛛「ここまで来ると、隠し通すにも無理があるな。」

女郎蜘蛛「本当よ。あの子、話してくれるまで黙っているつもりよ？どうして言ってあげないの？」

いつになく女郎蜘蛛が真剣な顔をする。コイツ、アイツのことになるとすぐ冷静さを欠くんだな…。