862話:別案件 ページ34
研究室から出て、土蜘蛛と大ガマを捜す。
部屋へ行ってみたけれど、2人とも居なかった。
貴方「どこに行ったんだろ…。気配がなんだか弱いから追えない…。」
オロチ「…A?」
貴方「あ、オロチ!何だか、こうして2人で会うのは久しぶりだね。」
オロチ「そうだな。基本は周りに誰かしら居るからな。こんな所でどうしたんだ?」
貴方「大ガマと土蜘蛛を捜していたの。何処にいるか知らない?」
オロチ「土蜘蛛殿なら中庭だろう。大ガマは知らない。」
貴方「そう、ありがとう。」
オロチ「あ…A…。」
貴方「ん?」
オロチ「…お前は、神話の時代に生きていた鬼の生まれ変わりだと、女郎蜘蛛から聞いた。」
貴方「あ…うん。そうみたいだね…。でも今は普通の妖怪だし、春火が身体から出ていけば鬼として存在できるかもわからない不安定な感じだって…。神話の時代の記憶は無いけど、何となく…春火の記憶は夢に見るの。」
オロチ「夢…?」
貴方「うん…。いつも途中で目覚めてしまって、よく分からないけど…。楽しいものじゃなかった。神話の時代まで遡ることができるなら、春火の事もっと分かるのに…。」
オロチ「おもいだ神の機械が直れば、実現可能かもしれない。ただ今回の件で、おもいだ神をお前に近付けるなと大王様が…。」
貴方「…それでも、こうして今ここにいられるのは、おもいだ神のおかげなのに…。」
記憶の違いをいち早く修正させたからこそ、今ここに存在していられる。おもいだ神のおかげで、私は生きているのに…。
でも周りから見れば、危険な所へ何の相談もなく行かせてるんだから、確かに近付けたくないのもわかる。
オロチ「部品集めは引き続きおこなっている。かまいたちと、影オロチが中心となっていて、もうすぐ全て揃うそうだ。」
貴方「影オロチも…?」
オロチ「ああ。別の調査のついでに、な。」
貴方「別の調査?」
オロチ「前に、駄菓子屋の隣の竹藪を進んだ奥の屋敷に、鬼がいるという話をしたのを覚えているか。」
貴方「あ、うん…。あそこで闘ったのも、昨日の事みたいだけど…。」
オロチ「近頃、あの辺を通る人間が居なくなるという事案が多発している。」
貴方「え……?」
94人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぐりーん(プロフ) - もうこのお話好きすぎますっっ!文章も素敵で読みやすいし…これからも頑張って下さい~‼︎ (2022年3月5日 7時) (レス) @page32 id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年9月6日 18時