君を守り抜く。ー20ー【妖怪ウォッチ】 (ページ23)

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８５１話：鬼を妖怪に戻すページ23

貴方「でも、今の土蜘蛛から鬼の気配が感じられない…。」

私が人間だから感じないだけかもしれないけれど。でも土蜘蛛は普通の妖怪といった感じだ。

酒呑童子「大昔の話だ。血が薄れ、今では時々起こる吸血衝動程のちっぽけなものになってしまった。今の彼奴は、ほぼ妖怪と言えよう。」

貴方「…」

未来では、酒呑童子と対等に戦うほど土蜘蛛と大ガマは強くなっていた。もし、彼の言うほぼ妖怪というものに分類されるのなら、あの時互角ではなかった。私が知らないうちに、2人に何かあったはずだ。

貴方「…酒呑童子。あの…。」

酒呑童子「なんだ。」

貴方「本家鬼は、世代を超えると血が薄まるんだよね。それなら、普通の妖怪には戻れるの？」

酒呑童子「…戻れる。子孫を繋ぎ血を薄めるか、数百年、数千年と生きるか。しかし、その間に純血の鬼の血を飲めば、また振り出しに戻る。」

貴方「！」

土蜘蛛も大ガマも、私の血を飲んでいる。あれは、覚醒なんてものじゃない。本家鬼の血を濃くしただけ。つまり、妖怪に戻りにくくするための楔。

純血の鬼の春火の血ではなく、私の血だから
そういう作用はないのかもしれないけれど。
でも、土蜘蛛も大ガマも、目に見える形で強くなっていた。もしかしたら…。

分からない。未来に帰って、女郎蜘蛛に相談しないと…。

酒呑童子「…人間のお前に話したとて、要らぬ事だったな。」

貴方「…酒呑童子。鬼になった者を、妖怪に戻すことはできるの？」

酒呑童子「お前…。何故そのようなことを…。」

貴方「…教えて。大切な人が苦しんでるのを見たくない。純血の鬼なら、哀れな失敗作を見て滑稽だと思うでしょう。私は、狂って自我を忘れて消えていく失敗作を…、仲間が傷つくのを、もう見たくない。」

酒呑童子「…血を与えなければ良い。」

貴方「え…？」

酒呑童子「…お前がどこまで知っているのかは知らんが、教えてやる。普通の妖怪に戻すには、血を与えなければいい。それともう1つ…、それは教えてやらん。」

貴方「…」