８４４話：おかしい ページ16
ー二宮sideー
二宮「宇都宮。おかしいとは思わないか。」
宇都宮「何がでしょう？」
二宮「Aのことだ。アイツは身寄りがないから今はうちにいるが、そのアイツに客人だなんて。来るはずがないのに。」
宇都宮「確かにそうですね。それもこんな夜中に…。」
二宮「俺の憶測が間違いではないなら、恐らく来るのは…人ではないな。」
宇都宮「ええ。…確かめられた方が良いかと。」
二宮「帰り際、少し離れた位置から見よう。」
A、お前は本当に不思議な子だ。何を隠している？お前には一体、何が見えているんだ？
妖怪は、本当は悪いものばかりでは無いのだと
そう言い張るお前の真剣な瞳に偽りはないと
俺にもっと、信じさせてくれよ。
ーAsideー
貴方「…あ……もうこんな時間…。」
土蜘蛛がやって来て1時間程過ぎた。
あまり長話するのも、誰も起きていないと分かっていても危険を感じる。
貴方「土蜘蛛…今日はもう……。」
土蜘蛛「…ああ。お主と居ると、時が経つのが早いな。」
そんな優しげな笑みを浮かべて私を見ないで…。
離れたくなくなってしまう。
貴方「裏門まで送るわ。…ありがとう、来てくれて。」
土蜘蛛「吾輩がお主に会いたいと思っただけだ。」
貴方「…私も…会いたかったよ。」
土蜘蛛「本当に、今宵はやけに素直すぎるな。愛らしい。」
話しながら裏門まで続く道を歩く。
その道すらも、短く感じてしまう。
もっと、もっと…土蜘蛛と一緒に居たいのに。
貴方「…」
土蜘蛛「二宮、そのような顔をするな。また来る、すぐにな。」
貴方「…うん。」
土蜘蛛「参ったな。お主のその様な顔を見せられると…。」
貴方「え…？土蜘蛛…？」
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ぐりーん(プロフ) - もうこのお話好きすぎますっっ!文章も素敵で読みやすいし…これからも頑張って下さい~‼︎ (2022年3月5日 7時) (
レス) @page32 id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月6日 18時
