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749話:妖気の限界値 ページ30

土蜘蛛「う……。」

貴方「土蜘蛛……!」


避難場所に向かう最中、
妖力の減った土蜘蛛が地に膝をついた。


貴方「無理しないで……。」

土蜘蛛「……すまぬ…。」


浅い息遣い。
相当疲れてる……。


貴方「……つ、土蜘蛛。」

土蜘蛛「……何だ。」

貴方「……ごめん、ちょっと…。」

土蜘蛛「ん……!」


土蜘蛛の頬に手を添えて
口付けし、妖力のを送る。


貴方「っ……これで……少しは楽になった……?」

土蜘蛛「……ああ。感謝致す……。」


土蜘蛛はまだ少し苦しそうな顔をしているけど、スッと立ち上がって私の手を引いて歩き出した。


貴方「……土蜘蛛…。」

土蜘蛛「……A、お主……つらくはないか。」

貴方「大丈夫。早くみんなと合流し……」

土蜘蛛「!……A!?」



あれ……。どうしたんだろう。
目が霞んできた。
ダメだ……、体の力が抜けてくる感覚。

土蜘蛛が受け止めてくれたのを最後に
意識が飛んだ。









ー女郎蜘蛛sideー


女郎蜘蛛「……うん、大丈夫。妖気を分け与え過ぎて倒れただけよ。すぐに目も覚めると思うわ。」

大ガマ「良かった……。」


土蜘蛛ちゃんが血相を変えて
Aを抱えて来た時は
みんな本当に驚いていたけれど
何事もなくて良かったわ。


カルラ「全く……。自分の限界も考えないで……。」

烏天狗「まぁまぁ。Aは土蜘蛛さんを助けたかったんだよ。」

女郎蜘蛛「お祭りは後日延期だし、何だか予定してたより大変な騒ぎになったわね。……土蜘蛛ちゃんも、あまり変なこと言わないようにね。」

土蜘蛛「……反省している。」



土蜘蛛ちゃんが、白い髪の女と伴侶だと
そういった噂が瞬く間に広がった。

あの後、エンマ大王様が誤解だと言ったが
益々不審がられるだけだったわね。


Aは……どう思ったのかしらね。

750話:失う事は何よりも怖い→←748話:噂が広がるのは早い



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設定タグ:妖怪ウォッチ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月28日 23時

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