748話:噂が広がるのは早い ページ29
ー大ガマsideー
大ガマ「はぁ〜〜〜……。」
キュウビ「なんだい、鬱陶しいねぇ。」
大ガマ「今日は迂闊に鬼になれねぇからよぉ……。」
キュウビ「そうだね。鬼が鬼を倒してるなんて、一般妖怪の理解の範疇を超えてるだろうし。」
大ガマ「それに、本家の奴等には鬼になっちまうこと話してねぇし……。もしあんな姿がバレたら、アイツらなんて言うだろうな……。」
キュウビ「まぁ、近寄っては貰えないだろうね。特にチビ達は。」
大ガマ「違いねぇ。」
フゥミン「大ガマ様ー!」
大ガマ「あ?うお!?」
突然女妖怪が俺を取り囲み
質問攻めにしてくる。
フゥミン「土蜘蛛様に伴侶が居るって本当ですか!?」
大ガマ「はあ!?なんだそれ!」
キュウビ「実に興味深いね。詳しく聞かせてもらおうか?」
大ガマ「何言ってんだ馬鹿か!」
ふぶき姫「白い髪の長い女の子が、土蜘蛛様に引き寄せられて、伴侶だと……。」
カルラ「……何それ、聞き捨てならないね。」
大ガマ「カルラに烏天狗!?お前ら持ち場は!?」
烏天狗「終わりましたよ。札貼ってきたので、舞台周辺は暫く大丈夫かと。それより、何ですか、伴侶だとか?」
女郎蜘蛛「そうよそうよ、何で急に土蜘蛛ちゃんに伴侶ができてるの。」
大ガマ「女郎蜘蛛まで!?何してんだよお前ら……!」
女郎蜘蛛「露店で薬売ってたけど、鬼のせいでめちゃくちゃになって、避難してきたに決まってるでしょ。」
大やもり「そしたら、面白いような、面白くないような話が聞こえてきたからね。白い髪の長い女の子って……Aしか居ないでしょ?」
気が付くと、周りの妖怪もざわめき始めた。
くそ、噂が1人歩きしだした。
どうすんだよ、土蜘蛛……。
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 23時