747話:祭り開催の真意 ページ28
貴方「れんごくの術!」
鬼と妖怪達の間に
炎の壁を作る。
一時しのぎだが、手段を選べる時間もない。
土蜘蛛「……怪我はないか。」
獅子まる「親方様〜…!助かりましたぁ…!」
人魚「もうダメかと思った……。」
フゥミン「まさか土蜘蛛様が来てくださるなんて、夢見たい……。」
ふぶき姫「ちょっと…!やだ、そこの子鬼なんじゃない……!?」
貴方「……!」
フゥミン「土蜘蛛様が鬼と一緒に居るってどういう事!?」
しまった。
鬼が鬼を倒す異様な光景に
慣れてしまっていた。
どう弁解すれば良いのか考えていると
土蜘蛛が着物を頭から掛け
グッと引き寄せてこう言った。
「此奴は吾輩の伴侶だ。鬼の仮装が趣味で少々困っておったのだ。分かったら早く逃げろ。ここは危険だ。」
妖怪達は驚いていたものの
鬼に襲われる恐怖が勝ったのか
何も言わずに逃げて行った。
貴方「つ……土蜘蛛、今の……。」
土蜘蛛「ほんの戯れにすぎん。気にするな。」
そ、そんな事言われても……。
でもあの言葉に深い意味は無いのかな。
貴方「……お祭りがめちゃくちゃだね。」
土蜘蛛「……本来、今日の祭りは中止にすべきだと、前々から話は出ていた。それでも大王様が祭りを開催したのは、鬼を誘き出すため。それと、一般妖怪に鬼の存在を知らしめるためだ。」
貴方「え……?」
土蜘蛛「鬼による被害が拡大している。自身を少しでも守り、周囲を警戒させるために、大王様はわざと祭りを催した。……結果として成功。今は大ガマ達が避難誘導をしているだろう。」
貴方「……初めからこうなる事が分かっていたの…?」
土蜘蛛「……ああ。」
貴方「……みんな無事なら…良いんだけど。」
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 23時