743話:市中引き回しの刑 ページ24
カルラ「ついに明日かー。」
烏天狗「案外あっという間だったね。お疲れ様、カルラ。」
貴方「烏天狗もまさか笛の担当だったなんて驚いた。」
カルラ「そうだよ、何で言わなかったんだよ。」
烏天狗「あまり上手くなかったから、バレたくなくて。」
他愛も無い話。
明日、いよいよ祭事が行われる。
朝から騒ぎ、神楽舞いは夜。
明け方にかけて妖怪達は浮かれるそうだ。
カルラ「祭事楽しみだけどさ。僕達はあまり出歩くなって、大王様から言われたしね。」
貴方「仕方ないよ。妖怪が多く集まるから、その分夜になれば鬼も出てくるだろうし……。それまで見張りとかしないと。」
烏天狗「ここ数年で鬼が急増したし、他の妖怪たちも気をつけてはいるらしいけど……、Sランクでも対抗するのがやっとだもんね……。」
カルラ「去年は踊りの準備で露店見れなかったし、今年は今年で回るのも無理そうだなぁ。」
貴方「少しくらいなら、カルラと烏天狗で見に行ったらいいんじゃない?」
烏天狗「Aは?露店とか興味無い?」
貴方「行きたいけど……。この髪じゃ目立つから。」
すると、向かい側の廊下から歩いてきた
土蜘蛛と大ガマが私を呼んだ。
貴方「大ガマ、土蜘蛛。二人でいるなんて、何かあったの?」
大ガマ「今から市中引き回しがあるんだよ。」
貴方「市中引き回し?」
土蜘蛛「罪を犯した者を、街中馬で引きずり回すというものだ。」
貴方「え…!?何…それ……。」
大ガマ「祭事で多くの妖怪が集まってる今、鬼を引き回して、罪と恐ろしさを植え付けようとしているんだろ。」
貴方「それ……一体誰がそんなことを……。」
土蜘蛛「死神だ。引き回した後に、あの世へ連れていく役もあるからな。」
大ガマ「良い機会だから、お前も見とけよ。」
貴方「……うん。」
カルラ「僕らも行くよ。」
烏天狗「うん。その鬼のことも気になるし。それにしても、僕達以外で鬼を捕まえて、それを引き回すなんて……。そんな事が出来る妖怪がいるのかな。」
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 23時