736話:誰かのためになること ページ17
大ガマ「お前も聞いたのか。日取りはまだ決まってねぇから、俺に聞いても分かんねぇぜ?」
貴方「……うん。あ、いやそうじゃなくて……。」
大ガマ「……うん?」
大ガマは優しく相槌を打って、私の返事を待っている。
貴方「……良いの…?本当に…血を……。大ガマのこと沢山傷つけちゃうよ……?」
大ガマ「お互い様だろ。」
貴方「……」
大ガマ「A、こっちに来いよ。」
貴方「え……?あの……。」
大ガマは私の手を引いて、ベッドに座らせた。
大ガマ「お前はさ、俺が今回の件で承諾するなんて思ってもみなかったんだろ?」
貴方「……!…うん。大ガマなら…真っ先に反対するって……思ってた。」
大ガマ「俺も初めは反対してた。…お前を傷付けてまで強くなる意味も分からねぇし……。それに、お前はあの行為の辛さを知ってる。それを踏まえてもう一度……なんて、本当はさせたくない。」
貴方「大ガマ…。」
うん。そうだろうって思ってた。
いつだって、誰も傷つかないような方法を
誰よりも真剣に探していた大ガマの事だから。
大ガマ「でもさ、よく考えたんだ。……お前だったら何て言うかなって。」
貴方「私だったら……?」
大ガマ「お前は多分……、傷付いても、力を得ることが出来て、それで誰かを守れるなら、きっとその行為を受け入れるんじゃないかって。」
貴方「あ……。」
そうだ。私なら、迷わずにやるって言う。
慎重な大ガマみたいに、
傷つかずに……なんて考えない気がする。
大ガマ「だから、お前となら7日くらい何とかなるんじゃねぇかって思った。……俺と一緒に頑張ってくれるか。」
貴方「……うん。」
大ガマはいつも、誰かの為になる事を考える。
考えが深く、反論することは多くても
それは誰かを思っての事だ。
決して自分の考えで動いたりしない。
そんな彼だからこそ、本家軍の妖怪達は
彼を慕うんだろう。
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 23時