第84話：当日 ページ39
結局あれから眠れなかった。本を読んだり、ワルツの練習をしたり。ベッドに横になっても、意識は保ったまま翌日の朝を迎えてしまった。
まとめた荷物をジョーンズ先輩が下に運んでくれた。それから4人揃って空港まで向かう。
アルフレッド「はぁー。暑すぎるんだぞ！今年は去年よりも暑いんだってね。」
アーサー「そんなもの、天気予報の常套句だろ。」
マシュー「でもこの暑さは確かに、自国のものとは違いますね。」
アーサー「ああ。これから向かうところも、プライベートビーチはこの位の暑さになるだろう。体調管理は怠るなよ。」
アルフレッド「ねぇ、A！向こうに着いたら海に行こう！貸切だからね、いくら遊んでも良いんだぞ！」
貴方「プライベートビーチ…。本当に庶民とは規模が違いますね。」
アーサー「アルフレッド、遊びよりもまずは仕事だろ。」
国家交流がメインなのだ。これは立派な仕事。
遊ぶ気満々のジョーンズ先輩を、アーサー先輩が諭す。
空港に着くと、参加する国は殆ど集まっていた。久しぶりに会う先輩とも顔を合わせ、挨拶をする。そこには、北欧5カ国の皆さんも揃っていた。
フィン「モイ！久しぶりですね。2週間、楽しみましょうね。」
貴方「フィン、おはよう。うん、こちらこそよろしくね。……あ、もしかしてこちらの方が…。」
フィン「うん、そういえばこの前は紹介できなかったね。こちらはスウェーデンさん。スーさん、一つ下の学年の五十嵐Aさんですよ。」
スヴィ「ん…。スウェーデンだ。ベールヴァルドって呼んでええど。」
貴方「はい、ベールヴァルドさん。ご挨拶が遅れてすみません。五十嵐Aと言います。今日からよろしくお願いします。」
スヴィ「みったぐねぇ。」
フィンから、スーさんは恥ずかしがり屋さんなんですと耳打ちされる。その後2人はアーサー先輩の方へと挨拶へ行ってしまった。
イース「おはよう。いよいよだね。」
貴方「あ、イースさん。おはようございます！ソワソワしてしまって、昨日もずっと眠れなかったんです。夜に失敗しなければ良いのですが……。」
イース「大丈夫でしょ。何かあれば助けてあげるし。アーサーもいるなら、心配も杞憂だと思う。」
貴方「そうですね。アーサー先輩がいれば百人力です。」
そう言うと、一瞬イースさんの表情が陰った気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2023年5月13日 22時
