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956話:果報者 ページ42

初めて子供を産む時に思ったの。
私は、贅沢な暮らしをして、贅沢な生活をさせてくれる天野家に嫁いで、幸せ者のはずなのに、愛情なんて湧かない。

子供が生まれても、愛してあげられないかもしれない。
ワガママな私が、子供を育てる資格があるのか。

生まれて来なければ良かった。産んで欲しくなかった。
そんな言葉を、私が子供から言われたら
どんな気分になるだろうって。
その時、母様にかけた言葉の重みに
自分が押しつぶされそうになったんだ。


桔梗や景作にとって良い母親にはなれなかった。
私は育児を途中放棄したダメな親だ。
幾らでも構ってあげられたのに、
構って貰えない寂しさを知っていたのに
同じ思いをさせてしまっただろう。



この罪を償う方法があるなら、
教えて欲しい___________。


















女郎蜘蛛「いい加減起きなさいよ!!」

貴方「!?……じょ、ろうぐも…?」

烏天狗「A…!良かった…。春火が結界を破壊した後から、全然目覚めなくて心配したよ。」

貴方「……私、妖怪…?」

大ガマ「なんだよ、まだ寝惚けてんのか?」

キュウビ「さっさと宮に帰ろう。口の中血まみれだし、みんな傷だらけだ。」

貴方「あ、うん…。」


歩き出すみんなの背中を見つめる。戦いが終われば、皆を妖怪に戻す薬を作る。それが完成すれば、みんなは解放される。

私はその後どうなるだろう。
鬼のまま死ぬべきなのではないかと思うことがある。
永遠に鬼のまま、罪を背負っていく。
輪廻転生しても、記憶も何もかもを持ったまま…。


カルラ「A、ほら早く!置いていくからな。」

貴方「あ、今行く…!」


私は、私のことを嫌いなままでこの人生を終えるのかな。


今、この瞬間みんなに囲まれて
笑い合える時間がどれほど大切なんだろう。
人間時代はつらかった。悲しかった、寂しかった。

でも、今こうして私を守ってくれるみんなが居て、
寝る場所があって、食べるものもある。
それって、本当に幸せなことなんだ。


私は果報者だ。罪を犯した私がこんなに幸せでいるなんて、それこそバチが当たるってものだ。夢でも良い、いつか消えるとしても、この時を大切にして、永遠に覚えていられるようにしたい。

957話:研究室→←955話:人間の時の記憶



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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻‍♀️ (2023年2月4日 17時) (レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです! (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年12月19日 14時

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