９５３話：試し ページ39
貴方「地面…。地中にあるのかな。」
カルマ「地中…？」
女郎蜘蛛「あははは！そんな、タイムカプセルじゃあるまいし。」
貴方「物は試しかな。」
地中目掛けて技を放つなら、炎よりも春火の光線の方が良いだろうけど…。アレってどう使うんだろう。いつも無意識に放っていたから、いざやるとなると……。
女郎蜘蛛「どうしたのよ、急に黙り込んで。」
貴方「春火の光線を使いたいんだけど、やり方がわからないの。春火じゃないと、この空間から私達だけでは出られそうもない。」
大ガマ「つっても、さっき喧嘩売ってきたやつに、また頼むってのか？今度こそ意識乗っ取られるんじゃねーの？」
貴方「そこなんだよね…。」
カルラ「春火を脅せる良い案があればいいけど。」
烏天狗「……それなら、僕に提案がある。」
貴方「本当にこれで大丈夫そう？」
カルマ「見た目は宜しくないけどね…。Aさん大丈夫？苦しくはない？」
貴方「うん、ありがとうカルマ。」
今どういう状況かというと、
飛べる妖怪(主に3鳥とキュウビ)が、
私の腕を縛って毒草の沼の上で待機している。
このまま春火と入れ替わり、私の身体と引替えに脅すというわけだ。春火は私の体でないと存続できないのは分かっている。毒草の沼に浸れば、私自身タダでは済まない。一世一代の賭け事だ。
地上では女郎蜘蛛、土蜘蛛、大ガマも見守っている。
女郎蜘蛛と土蜘蛛の糸で身体を固定されているが、
カルラと烏天狗に手を離されるとひとたまりも無いだろうな。
貴方「じゃあ、呼んでみるね。」
キュウビ「本当に肝が据わっているというか…。危険になったら、さっきみたいに無理矢理にでも抑え込むんだよ。」
貴方「分かってるわ。」
目を閉じて、頭が浮くような感覚に襲われる。
次に目を開けた時には、目の前に鬼の形相の春火がいた。
春火「先刻はよくもやってくれたな、小娘。」
貴方「ごめんなさい……。」
春火「なんだ、みっともなく謝ることしかできんのか？我を恨んでいるだろう？ははは！なにせ、裏切ったのだからな。我はお前のことなど露ほどもにも気にしておらん。お前がどうなろうと構わんのだ。」
貴方「……うん、そうだね。アナタは私じゃないし、私の体さえあればいいんだものね。」
春火「そうだ！さっさと我にその体を譲り、お前はこのまま命果てたら良い。我の血肉になれるのだ、感謝しかなかろう？」
貴方「それで死ねるなら……、死にたい。」
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
