検索窓
今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:6,951 hit

938話:支配下 ページ24

貴方「私の血の…おかげ……?」

キュウビ「酒呑童子の血を飲めば、酒呑童子の支配下になる。そういう構造で鬼が増えるのなら、キミの血を飲めばキミの支配下になるのも必然だと思わない?」

貴方「あ…。」

キュウビ「そして、酒呑童子の捜す姫とやらはキミじゃないのに、執拗に追い回す。女郎蜘蛛を使ってまで…ね。キミという血を持つ存在がいると、酒呑童子に対抗する存在を増やすことになる。彼はそれを恐れているんだろう。キミを支配下に置くなら、自身の血を飲ませることが有効だろう。女郎蜘蛛にそうさせたように。」

貴方「うん…。」

キュウビ「ただ、それは失敗した。…いいや、彼はきっと失敗することが分かっていた。」

貴方「え…?」

キュウビ「女郎蜘蛛を完全に支配下に置くために…、回りくどい手を使った。女郎蜘蛛は何年経ったとしても、酒呑童子の完全な下僕にはなれなかった。それは、キミがいたからだよ。」


女郎蜘蛛と過ごした時間は、無駄じゃない。
私と彼の中には、強く結ばれた絆ができていた。
酒呑童子は、私が支配下になるか
それとも女郎蜘蛛が庇うか賭けに出た。

本来の目的は、女郎蜘蛛を支配下に置くこと。
今その目的は達成されてしまったわけだ。


キュウビ「女郎蜘蛛を支配下に置きたかったのともう1つ。酒呑童子は春火に勝てないと分かっているはずだ。」

貴方「え…?春火に…?」

キュウビ「覚醒していないとはいえ、文献に名が載るほどの鬼…つまり、恐らく鬼の姫と何か関係があったはずだ。そんな存在に手出しをすれば、鬼の姫を見つけたところで、鬼の国の再興は望めない。……そこで僕の仮説なんだけれどね、酒呑童子の真の目的は僕達と争うことではないと思うんだ。酒呑童子の血は恐らく、彼より強い者…上の者に効果はない。」

貴方「……」

キュウビ「キミが人間時代に血を飲んで鬼になったのは、酒呑童子にとっても想定外だっただろう。ただ、そのキミが妖怪になった時に、春火の魂がキミに宿り、鬼の力は発揮され始めた。もし、キミが単なる妖怪なら、今頃酒呑童子の子分になっていただろう。」

貴方「確かに…。初めに鬼に飲まされたものが、血薬じゃないのは時代を辿ってわかった。女郎蜘蛛にもそれとなく、アレは酒呑童子の血なんじゃないかとも言われていたの。…女郎蜘蛛は、全部知っていたんだね……。」

キュウビ「……ああ。」

939話:躊躇い→←937話:血



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻‍♀️ (2023年2月4日 17時) (レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです! (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:暁兔 | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年12月19日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。