９３３話：記憶を見る裁定者 ページ19
ーNo sideー
カルマ「烏天狗、大丈夫…？」
烏天狗「…大丈夫。随分と制御できるようになってきたけど…。まだまだ、ダメだね…。ところでさ、ずっと気になっていたんだけど…。」
カルマ「え…何…。」
烏天狗「キミ、カルラの記憶があるって言いながら…知らないことも多いよね。Aが鬼になった時、カルラはソレに何度も遭遇しているのに…。キミはどうしてその記憶を知らないのかな。」
カルマ「そ、それは…。」
烏天狗「……キミの記憶は、カルラから引き継いでいる…なんてのは嘘なんでしょう？」
カルマ「なっ…！」
烏天狗「そんなことだろうと思ったよ。僕は、キミが嘘をついている意味が分からなくてね…。キミの技を見て気付いたよ。…カルラの記憶を一部知っていたのは、キミ自身がカルラを裁定したから…そうでしょ？」
カルマ「…」
烏天狗「凡そ、知っているのはカルラに限ったことじゃないんだろう？そして、キミは鬼については何も知らなかった。この戦いが終わったあと、エンマ大王様が記憶操作でもして、戦いの記憶を全妖怪の脳から消した…ってところなんだろうけど。」
カルマ「どうしてそこまで断定できるの。」
烏天狗「これは本当に僕の憶測にすぎない。でもこれくらいしか思いつかなくて。違った？」
カルマ「……違わない。」
烏天狗「そう。それで、キミは他に誰の記憶を覗いたの？」
カルマ「……転生した全ての妖怪だ。僕は言わば審判者。その妖怪の一生の行いを見て、善悪を判断し転生させるかを判断する。」
烏天狗「キミが存在するということは、戦いは無事集結して、カルラは鬼じゃなくなったことの証明になる…。それは間違いない？」
カルマ「…ああ。でも僕以外は消えた。きっと、転生界そのものが、今はなかったことになっていると思う。」
烏天狗「戦いがどうなるか分からない…という事だろうね。」
カルマ「鬼が増えれば…妖魔界もなくなりかねない。でも、烏天狗達も鬼になっているなら…もはや同種族の争いだよね。」
烏天狗「それに、人間も巻き込んでいるしね…。」
カルマ「人間も…？」
烏天狗「今は妖魔界中心に争っているけれど、少し前は人間界の…人間も鬼に…。辻斬りや通り魔だとか、そんな話でおさめられてはいるけれど。」
カルマ「……どうしようもない状況だね。それで、僕達はこの数じゃ勝ち目がないのは目に見えている。…どうするの。義勇兵でも集めない限り、きっと僕達は負けるのを待つだけだ。」
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
