916話:呼び出し ページ1
貴方「女郎蜘蛛が……いなくなった?」
カルマとの一件から1週間後のことだった。
突然手負いだったはずの女郎蜘蛛がいなくなり、
捜索したが見つからなかったそうだ。
キュウビ「全く……どこに行ったんだろうね。」
大やもり「あの怪我じゃ、そう遠くへは行けないはずだけど…。」
大ガマ「気配も追えないんじゃ、お手上げだな。結界術ってのも厄介だな。」
カルマ「この中で一番実力のある妖怪が消息不明、研究も進まないようじゃ……これからどうするの?」
貴方「……捜すしかないんじゃないかな。」
捜すって言ったって、結界術の中じゃ凄く苦労するだろうし、何よりみんなまだ疲れも残ってる…。
私もこの傷じゃ、捜しには行けないだろう…。
女郎蜘蛛から真実を聞きたかったのに、どうして…。
エンマ「考えても無駄だ。Aの言う通り、捜す他ないだろう。カルラ、烏天狗、カルマ、かまいたち、影オロチは女郎蜘蛛の捜索に当たれ。大ガマと土蜘蛛はフユニャンとケータに合流して部品の捜査。キュウビ、大やもり、オロチはAの生体検査だ。……以上。」
カルラ「……A。大丈夫?」
貴方「うん…。」
あの一件以来、カルラは様子をよく見に来て心配してくれる。この一週間、傍に居ても私に触れてくることは一度もなかった。
もしかして、気にしてるのかな……。
貴方「……大ガマ、土蜘蛛。」
大ガマ「ん?」
貴方「フユニャンに会うんだよね…。私、前に会おうと思ってたけど、結局間が悪くて……会えずじまいだったの。元気かどうかだけでも、後で教えて。」
土蜘蛛「承知した。」
大ガマ「懐かしいな。また平釜平原で馬鹿騒ぎしてたいな。あの日に戻れる様に、今は頑張らねぇとな。」
貴方「うん。それじゃ、私もう行くね。」
土蜘蛛「A。」
貴方「ん……?」
土蜘蛛「今宵、吾輩の部屋へ来い。」
貴方「え……?」
土蜘蛛はそれだけ言い残すと、広間を出て行ってしまった。土蜘蛛、ピリピリしてる…?気配が、重々しい感じだったな。
大ガマ「ありゃ、相当怒ってんなー。喰われないように気を付けろよ、A。」
貴方「土蜘蛛はそんな事しないよ…。」
大ガマ「そう言われると、手出せねぇよな…。」
貴方「え……?」
大ガマ「信用してくれてんのは有難いけど、抜け駆けする奴もいるし…。気が気じゃねぇんだよ、土蜘蛛も。」
そう言って、大ガマは私の首筋を摩った。
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです! (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年12月19日 14時