53話：葛藤ランドリー！ ページ9
貴方「ふぅ……。漸く一段落した……。」
白恋の人達は、朝に弱い人が多いみたいで
中々起きてくれなかったなぁ…。
おかげで、室内グラウンドの解錠や整備確認が遅れて、朝食を摂り損ねた。
これから、炎天下で数時間過ごさなければならないのに…。
貴方「マネージャーって、思っていたより大変かも…。」
監督達は、助けてくれるけれど
頼りすぎるのもいけない気がして、
指示を貰ったらできるだけ1人で作業をする。
貴方「えっと…お昼の分のドリンクは1時から作るとして…。お昼ご飯が12時からだから、それまでに一度お部屋の掃除…。」
時計の針は10時25分を指していた。
3部屋掃除するのに、ギリギリになるかもしれない。
貴方「急ごう。まだまだ仕事沢山あるんだから…！」
ぐうっと大きな音を立てるお腹を無視して、掃除用具を取りに向かった。外からは多くの選手の声がする。他のグループも外で練習しているみたい。
貴方「実際にサッカーはやった事ないと思うけど…、なんだろう。見ていたらすごく楽しそうだから、ちょっとやってみたいかも。」
快彦くんに相談したら、教えてくれるかもしれないなぁ。でも、みんな練習後は疲れているから休みたいよね。今度サッカーボール借りて、少し蹴ってみようかな。
皆がどんな景色を見ているのか気になるし。
貴方「さて、掃除掃除！まぁ昨日の今日でそんなに散らからないでしょ。」
と思ったのが運の尽きだった。
手始めに、新雲の大部屋に行くと
服やら、お菓子のゴミが散乱。カードゲームや、サッカーの雑誌も落ちていて、一晩でどうやってこんなに汚せるのかと思うくらいには散らかり放題だった。
貴方「な……なんでなの…。男の子、恐ろしい…。」
靴下やTシャツが放置されている。下着が見当たらないだけマシかな……。とにかく、足の踏み場を確保しないと。
貴方「これ、どれが洗濯物なんだろう…。うう、今すぐ水鳥ちゃん達のところに行きたい……。」
別棟には忙しくて中々行けないだろうしなぁ…。今日の夜でも電話してみようかな。
気を紛らわせるために、そんなことを考えながら
手早く洗濯物を回収し、ゲームを片付けて
雑誌をまとめる。部屋の隅にとりあえず置いておいて、あとは戻ってきた時にみんなが確認してくれる事を祈ろう。
貴方「うわ…！もう11時過ぎてる…！あと2部屋もあるのに…！」
洗濯カゴを持ち上げて、私は4階の木戸川清修の大部屋へと向かった。
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月25日 13時
