72話：毛玉バイオレント！ ページ28
貴方「あの毛玉と話し込んでいたら、随分時間押しちゃった…。早く掃除しなきゃ…。」
新雲の大広間の掃除を終えて、木戸川、白恋と順に階を登る。木戸川の机には、またお菓子の差し入れが置かれていた。色々持っているんだなぁ…。確かアレは、総介くんの好みだとか…。
私も何か、差し入れ買いに行こうかな。
この時期なら、練習後にアイスとか喜んでくれそう。
白恋の部屋の一角、雪村くんのスペースには
いつも布団に少し隠された手紙とパンや、栄養ドリンクが置いてある。
昨夜の怪我の手当のお礼と、食えとだけ書かれた手紙。
ぶっきらぼうだけど、よく見てくれていて温かみを感じる。
「素直じゃないなぁ…。」と呟いて1人で笑ってしまう。
ああ、本当にあの毛玉の言う通りかも。私、雪村くんと仲良くなれているかもしれない。もっと、彼を知りたいな。
勿論、他の人たちも。
学校によって特色が違って、みんな個性的で。
そんな人たちと仲良くなれたら、この世界を楽しめると思う。
貴方「あの毛玉も、少しはいい事するね。」
アシェル「毛玉じゃなーーーーい！！！」
貴方「いったぁ！！！！！」
バシッと杖のようなもので頭を叩かれる。
アシェル「さっきから毛玉毛玉って！心の声が煩くて昼寝どころじゃないし！アシェル！名前覚えて！」
貴方「アシェル…。」
アシェル「そうそう。ちなみに、僕との契約はこの世界に連れてくることだけじゃないから。早く思い出してね、Aちゃん！」
貴方「はい…？」
この世界の生活も、毛玉…じゃない
アシェルとのことも、前途多難な予感しかしない。
貴方「ちなみに、アシェルの言うターニングポイントってどこで分かるの？」
アシェル「それは色々。同じ言葉を発した時や、似たような場所、場面に出くわした時。誰かからかけられた言葉…。日時も周囲の人の人数にも関係してくる。きっとそれらは、君が自然と引き寄せるから何も心配いらないよ。」
貴方「難しい話だね…。」
アシェル「まぁ、一度体験すればきっと慣れるよ。」
アシェルは私の頭上を漂い始める。
この毛玉…って言ったらまた怒られるな。
アシェルは魔術師とか言っていたけれど、
魔術師って実在するんだな…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月25日 13時
