優しい嘘 ページ43
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玲於「A！…A」
義姉「ねぇA！…起きてよ！ねぇ…！」
俺らが何度その名前を呼んでも、彼女はもう二度と目を開けることはなかった。
もちろんれおくんって俺の名前を呼んでくれることもなく、ただ一定の機械音だけが病室に鳴り響く。
医師「…年 …月12日 午後16時36分…」
その中で担当医らしき医者は、まるでドラマのシーンのように今日の日付けと時間を言っていた。
だけど俺はこの状況をうまく飲み込めなかったし、飲み込みたくもなかった。
どうにかしたら案外彼女がふわっと戻ってくるような感じがして、しばらくずっと彼女の名前を呼んでた気がする。
正直、この時のことはあんまり記憶にない。
誰もが啜り泣く声が病室に響いていた時
医者「事態を改善する手だてが無かったことを残念に思います」
医者にそう言われた。
きっと、残された俺らへの配慮の言葉なんだろう。
だけどそれが返って、決まり切った定型文をただ言われているような気がする。
医者「ご愁傷様でした…」
玲於「は…？」
その瞬間とてつもない怒りがこみ上げる。
玲於「何がご愁傷さまでしただよ…！思ってもないくせに」
医者「いえ、決してそんなことは…」
玲於「それにお前、何勝手に終わらせようとしてんの？Aは、Aはまだ…！」
別にこの人が悪いわけでも、原因な訳でもない。
玲於「まだ終わってねぇんだよ！さっきまでちゃんと動いてたし…！」
分かってる。
ただ感情の整理ができていないだけ。
結局俺は、八つ当たりすることしか出来なかった。
そんな情けない俺をセーブさせてくれたのは、彼女と彼女の家族で。
母「玲於くん、もういいの…いいのよ」
姉「でもお母さん！」
母「マリコもほら…A、笑ってるじゃない」
お義母さんの言葉に彼女を見てみると、呼吸器が外された彼女の頬には涙の跡。
そして最後の表情は、安らぎのある優しい微笑みだった。
父「Aは最後の最後まで、十分すぎるくらい頑張ったんだ…」
母「玲於くんにも出会えて、この子とっても幸せだったと思うわ…」
幸せだった
母「この涙はきっと、嬉し涙ね…」
Aはそんなんでいいの？
その幸せだけで足りんの？
これから俺が幸せにするって決めたとこだったのに。
今まで以上にもっと幸せにするつもりだったのに。
彼女はそのあまりに短すぎる生涯に終わりを告げた。
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you(プロフ) - レイさん» レイさんコメントありがとうございます。十分に作品に浸っていただけたら嬉しいです＼(^^)／このあともお楽しみください。 (2019年3月28日 22時) (
レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - なんとなく先がわかってしまったような気がして…すでに泣けてきます！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: ead29fc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - お返事ありがとうございます(^-^)この歌が好きなので、嬉しいです。引き続き楽しみにしております！ (2019年2月28日 22時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - saeco10さん» saeco10さん、コメントありがとうございます。その通りです。オリジナルも入っていますが、基本的にＹの歌詞に沿って書かせて頂いています。(ネタバレになってしまうかもですが、、笑)この後もぜひ楽しんでいってください！ (2019年2月28日 10時) (レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - Yをモチーフにされてるのかな？素敵(*´∇｀*) (2019年2月27日 23時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：you | 作成日時：2019年2月24日 12時
