声が届くように ページ31
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玲於「Aカニ好きだよね?どっさり買ってく?」
《 どっさり?! 》
玲於 「うん。せっかく北海道だし、タラバガニ」
仕事と家事やってくれてるし、たまの贅沢くらいいいじゃん?
《 タラバガニって大きいよね?確かにカニは大好きだけど、そんなにいっぱい食べきれないよ 》
玲於「えー?余裕っしょ」
《 うーん…それに私最近あんまり食欲なくて 》
玲於「あ、風邪?季節の変わり目だもんな」
《 うん、まぁそんなとこかな 》
玲於「辛い時に一緒にいてやれなくてごめんな」
《 いいのいいの。玲於くんはお仕事精一杯頑張ってきて。そしたら私はお家からエール送る 》
玲於「ん、サンキュ。じゃあお土産は食べ物以外にするから、あとは俺のセンスに任せて」
《 うん、ありがとう。玲於くんの素敵なセンスの良いお土産期待して待ってるね! 》
玲於「ちょ、おい。何か一気にハードル上がった気すんだけど(笑)」
《 そんなこと 》
こうして電話していると、離れた場所にいるのに彼女を近くに感じる。
だからLINEやメールなんかより、声の届く電話が好きだったりする。
《 玲於くん、いつ帰ってくるんだっけ? 》
玲於「あー、とりあえず明後日かな」
《 明後日かぁ 》
玲於「まぁそしたらすぐ青森なんだけどね」
《 なんか、日本列島横断の旅って感じだね 》
玲於「いやほんとに」
北から南まで地方のファンの人たちとの時間を作ることが出来るツアーは俺らにとっては欠かせないもの。
それは俺らのためでもあって、何よりファンの人たちのため。
玲於「来年はドームに立ってもっと多くの人に見てもらえるように、まずはこのツアー全力でやり切るから」
抜群に最高のパフォーマンスを届けられたら、このツアーは成功だったと言えるだろう。
《 そうやって目標持って前に進む玲於くん、すっごくカッコイイ。だからいつまでもカッコイイ玲於くんでいてね 》
玲於「おう」
彼女を裏切らないためにも、俺は前に進むしかない。
《 じゃあ、明日頑張って。お土産楽しみにしてるね〜》
玲於「だから、ハードル上げんなって!(笑)」
彼女がそう言うなら、意地でもハードルを越えたいと今強く思う。
次の日俺は手作り石鹸とキャンドル、ラベンダーオイルにオルゴールまで。
量より質で、彼女の喜ぶ姿を思い浮かべながら選んだ。
その時間は何だか、彼女がすぐそばにいるような気がしてた。
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you(プロフ) - レイさん» レイさんコメントありがとうございます。十分に作品に浸っていただけたら嬉しいです\(^^)/このあともお楽しみください。 (2019年3月28日 22時) (レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - なんとなく先がわかってしまったような気がして…すでに泣けてきます! (2019年3月28日 18時) (レス) id: ead29fc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - お返事ありがとうございます(^-^)この歌が好きなので、嬉しいです。引き続き楽しみにしております! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - saeco10さん» saeco10さん、コメントありがとうございます。その通りです。オリジナルも入っていますが、基本的にYの歌詞に沿って書かせて頂いています。(ネタバレになってしまうかもですが、、笑)この後もぜひ楽しんでいってください! (2019年2月28日 10時) (レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - Yをモチーフにされてるのかな?素敵(*´∇`*) (2019年2月27日 23時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:you | 作成日時:2019年2月24日 12時