支配 ページ27
.
俺はよく意味が分からなくてマネージャーの送迎で事務所に着くなり、隼からそのLINEの意味を聞いてみた。
そしたら、結構序盤からピッチ飛ばして、会がお開きになる頃には泥酔状態。
家に連れて帰るのも一苦労だったって。
しかもタクシーに乗ってる時、彼女の名前を呼びながら隼の手を握ったという知りたくなかった事実までしっかり教えてくれた。
いつか酒でやらかすとは思ってたけど…
ついにやってしまったという後悔の念に駆られて仕方がなかった。
いくら仕事がキツくてしんどいからって、さすがに人に迷惑をかけるのは違う。
そう思ってすぐに隼に謝ったら
隼「全然いいよ」
って笑って許してくれた。
でも正直言うと、酒を飲んだからって気持ちが晴れたわけではないし、それで解決するわけでもない。
だから家に帰ってから
「玲於くん、最近何かあった？」
彼女にそう聞かれた時は、何でこのタイミングでそんなこと聞くわけ？とか思いながら
玲於「最近？別になんもねーよ」
彼女がわざと知らないふりをしてたとも知らずに、ぶっきらぼうに答えてしまった。
本当だったら、昨日はごめんってちゃんと謝らなきゃいけないのに。
それなのに
「ないことないでしょ。玲於くんいつもお仕事頑張ってる中で悩みとかない？」
俺を気に掛けてくれる彼女に意地になって
玲於「…ない」
なんて答えてしまって、またモヤモヤした何かに支配される。
ある。
本当はあるのに。
「じゃあ昨日はどうして飲みすぎちゃったの？」
玲於「どうしても何も、理由なんかないんじゃね」
少し息抜きをする時間がほしいだけなんだ
って言えばいいのに。
「はぁ…玲於くんって、私には何も相談してくれないよね。全部一人で抱え込む」
玲於「でもそれはしょうがねぇじゃん」
「私じゃ頼りにならないかな」
玲於「は？…別にそんなこと言ってねー」
聞かれれば聞かれる程どんどんどんどんしつこく感じて、そんな自分が嫌になって。
「そうだよね。私にダンスの知識なんかこれっぽっちもないし、演技とかも全然分かんないから話聞くことくらいしかできないし」
俺は今日の彼女を少しばかりうざったく感じた。
そして、つい
玲於「ねぇマジでなんなの？お前は俺にどうしてほしいの？」
なんて言ってしまったから
「もういい。おやすみ」
お互い目を合わせることなく眠りについた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 291人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
you(プロフ) - レイさん» レイさんコメントありがとうございます。十分に作品に浸っていただけたら嬉しいです＼(^^)／このあともお楽しみください。 (2019年3月28日 22時) (
レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - なんとなく先がわかってしまったような気がして…すでに泣けてきます！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: ead29fc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - お返事ありがとうございます(^-^)この歌が好きなので、嬉しいです。引き続き楽しみにしております！ (2019年2月28日 22時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - saeco10さん» saeco10さん、コメントありがとうございます。その通りです。オリジナルも入っていますが、基本的にＹの歌詞に沿って書かせて頂いています。(ネタバレになってしまうかもですが、、笑)この後もぜひ楽しんでいってください！ (2019年2月28日 10時) (レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - Yをモチーフにされてるのかな？素敵(*´∇｀*) (2019年2月27日 23時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：you | 作成日時：2019年2月24日 12時
