何気ないこと ページ25
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玲於「ねぇ待って、マジでブロッコリー入れるつもりじゃん」
「うん、そうだよ」
何の気なしに普通に返事をする。
そうだよって俺マジで…
「野菜投入しまーす」
玲於「ちょ、だから食えねぇって!」
俺の声も虚しく、ジャガイモやら玉ねぎやらの他にレンコン、カボチャと一緒にブロッコリーがゴロゴロと鍋の中へ。
玲於「うわ…マジかよ…」
まだカレールウが入れられていない分、ブロッコリーの存在感が半端じゃない。
なのに落ち込む俺とは裏腹に、嬉しそうな彼女。
「玲於くん玲於くん、ブロッコリーも栄養満点だよ?」
玲於「いや、それはそうらしいけどさ…」
「それにほら。小さいサイズにカットしたし、カレーとして煮込むから玲於くんの言う、森っぽさ?ってのはないと思う」
玲於「ほんとかよ」
「ほんとほんと」
“ まぁ元から無いんだけどね “
って小声で言ってたのは聞こえなかったことにして、最近栄養の勉強を始めたらしく俺の体を気遣ってくれる彼女。
「少しずつでも食べられるようになるといいなぁ」
これも俺の為だと思うと、途端に愛おしい。
さっき鍋に入れたカレールウを溶かすようにかき混ぜる彼女を後ろから包み込み、ぎゅっと抱きしめる。
「ちょっと、火危ないから」
なのに振り返りもせずにそう言う。
そんなの知ってるよ
見れば分かるし
俺は大人しく腕を解いて、また彼女の横に立つ。
玲於「ん、こっちはなんだっけ?」
「ほうれん草ポタージュ?」
玲於「そうだ。ほうれん草のポタージュ」
綺麗な緑色にクリームが混ざった色合いが何とも絶妙で、食欲をそそる。
「こっちにはね、豆乳使ってるから、集中力とか記憶力アップにも効果的だよ。明日も撮影の玲於くんにはもってこいでしょ?」
得意気にドヤ顔を見せ付けてくる彼女を
玲於「ねぇAってさ、俺のこと大好きでしょ?」
いつものようにいじってみる。
そしたら、うるさいって可愛い顔して怒ってきたりするんだけど
「うん。大好きだよ」
…え?
カレーをかき混ぜながら言う彼女。
何、今日はそういう感じ?
なんかそういうことサラッと言われると
玲於「マジで調子狂うんだけど…」
そんな彼女と共に年を重ねていく意味をさがす毎日。
「玲於くんが聞いてきたくせに」
そう笑う姿を見ているだけでこんなにも幸せだったなんて、今まで知らなかった。
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you(プロフ) - レイさん» レイさんコメントありがとうございます。十分に作品に浸っていただけたら嬉しいです\(^^)/このあともお楽しみください。 (2019年3月28日 22時) (レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - なんとなく先がわかってしまったような気がして…すでに泣けてきます! (2019年3月28日 18時) (レス) id: ead29fc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - お返事ありがとうございます(^-^)この歌が好きなので、嬉しいです。引き続き楽しみにしております! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - saeco10さん» saeco10さん、コメントありがとうございます。その通りです。オリジナルも入っていますが、基本的にYの歌詞に沿って書かせて頂いています。(ネタバレになってしまうかもですが、、笑)この後もぜひ楽しんでいってください! (2019年2月28日 10時) (レス) id: 6afcf836b3 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - Yをモチーフにされてるのかな?素敵(*´∇`*) (2019年2月27日 23時) (レス) id: f42b071ce0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:you | 作成日時:2019年2月24日 12時