僕と君の物語【佐野玲於】完結

強く ページ20

.



玲於「…ってHIROさんはそう言ってくださった。けどやっぱりそれは人それぞれいろんな意見があることは承知してるから。亜嵐くん的にはどう思う？本当のこと言っていいよ」

亜嵐「うーん…俺は…」







亜嵐くんはさっきとはまた違う顔で、ちょっとだけ頭を抱えた。







亜嵐「…ほら、これでもリーダーだからさ。グループの現状とかリスクとか、それ以外にも色んなことを踏まえた上で、正直もっと別のタイミングもあるんじゃないかって思う。やっぱり、今のGENERATIONSのことを考えるとまだまだこれからだし」

玲於「そう、っすよね…」







この感覚は、HIROさんに相談させて頂いた時と一緒。






亜嵐「ごめん、HIROさんみたいにカッコいいこと言ってやれなくて」






亜嵐くんにもこう言われるんじゃないかって、心のどっかで分かってた気がする。







玲於「…大丈夫。謝んないで」








亜嵐くんが間違ったことを言ったわけじゃない。
むしろ正しいことを言ってると思う。

亜嵐くんはGENERATIONSのリーダーだから、俺一人のこんなハチャメチャな我儘を聞くわけにはいかない。






亜嵐「でも…」






亜嵐くんは俺らのリーダーだから







亜嵐「玲於が今だって思ったなら、今なんじゃない？」






どんな時でも、メンバー1人ひとりの気持ちを大切にしてくれる





亜嵐「今って決めたんならするべきだよ」






それが亜嵐くん。






玲於「…いいの？」

亜嵐「それで玲於が幸せになるなら、俺に止める理由ないっしょ」







亜嵐くんがそう笑った時、何故だかいつもより大人びて思えた。







亜嵐「さっきのHIROさんとの話を聞いて、突発的な、生半可な気持ちで言い出したことじゃないって分かった。

だから俺は玲於がそう決めたなら、その決断を全力でサポートするし、結婚のことで何か障がいがあった時には、リーダーとしてもメンバーとしても仲間としても、玲於とAちゃんのこと守っていくつもりだよ」







男に二言は無い。
まさにそんな感じ。





カッコいいこと言えなくてごめんとか言ってたくせに、サラッとカッコイイこと言って。
顔だけじゃなくて、性格までイケメンな亜嵐くんに男でも惚れ込むこの男前。






亜嵐「玲於！」






いつだって俺はこの人に支えられ、助けられる。







亜嵐「プロポーズ、カッコよくキメてこい！！」






その言葉に背筋がピシッと伸びたような気がして、俺は強く頷いた。

一面を飾る→←家族になるということ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す