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24 見ていたものを ページ27




「伊作は、無責任にそんなことを言って混乱させるような奴じゃない!!」

「そんなの当たり前だ、伊達に六年一緒にいない!! それぐらいっ……ただそれは完璧じゃない、人間なのだから判断を誤ることだってあるだろう何故それがわからない」

「落ち着け仙蔵。それは全員に言えることだ。何が正しかったかなんて現状の俺達にはわからないだろ」

「見誤ったところで被害が及ぶのは学園と後輩たちだ、相手の器量によっちゃ自分たちや先生方だって危うい。何かあってからじゃあ、遅い」


 教室の前まで来ると、中の会話がはっきりと聞こえた。締まりきった扉を開ける気配はない。このまま外で盗み聞きするつもりなのだろう。

 静かになったと思ったらまた誰かが喋りだした。その小さな声は多分、長次のものだ。……何を喋っているかわからないけれど、それに反論する者は居なかった。


 会話に耳を澄ませる私をよそに、八左ヱ門は開口一番、耳元で囁くように「どう思う」なんて聞いてくるから、少し困ってしまった。

「どう思う、って……?」


 私が困惑したのは、質問の内容もあるけど――

 そりゃ、こんな状況下とはいえ大好きな八左ヱ門が!!!!耳元で囁いて!!!!耳に息の感覚が!!!!!!鼓膜にダイレクトに推しの声が!!!!!!私ここで死ぬのかな!?!?!!??もう死んでるけど!!!!ここにスマホがあったら感情の吐露で50ツイートは軽く超えてる!!!!ヒィ……八左ヱ門に、いくら貢げばいいですか……。





ーー久々に暴発したそんな感情を飲み込んで口を閉ざし見つめる私に、八左ヱ門も少し困ったような表情を浮かべた。

「……いや、ごめん。少し質問を変えよう。
 Aさんがリスだったとき、君の目には何が見えていた?」

 その質問の意図はわからなかったが、私は正直に答えることにした。

「最初に気がついたのは食堂で持ち上げられていた辺り。それから八左ヱ門くんたち五年生が来て、手のひらの上で目が覚めた。学園を周って、薬みたいな粉をかぶって、それで――」

「俺、その時何色の手巾持ってたっけ?」

「黄色……だったよね?」



 もしかして、八左ヱ門も私のことを疑っているのだろうか。まあ、無理はないけど……。



「おい、生物委員会委員長代理とそこのリス。傍聴席を設けたつもりはないが」




 教室から突然聞こえてきた声に驚いて、私たちは顔を見合わせた。

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作品ジャンル:アニメ
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よしのや(プロフ) - No.0さん» コメントありがとうございます、頑張ります!!(*´ェ`*)最近更新頻度が落ちてて申し訳ないです、気長にお待ちいただけると嬉しいです…!m(_ _)m (2019年5月6日 8時) (レス) id: fe1483e79b (このIDを非表示/違反報告)
No.0 - 始めてのジャンルだ〜!読むのが楽しみです!更新がんばってください!応援してます。 (2019年5月2日 22時) (レス) id: 70509151e8 (このIDを非表示/違反報告)
よしのや(プロフ) - ごままぐろさん» わぁぁありがとうございます、すっごく励みになります!!!!(〃ω〃)ところどころギャグ路線に走ってみましたが、真面目とギャグの温度差が物凄いことになってしまいました……笑 (2019年3月13日 23時) (レス) id: 6e21aa2086 (このIDを非表示/違反報告)
ごままぐろ(プロフ) - 天女ものとは少し違って、面白くて好きです笑 (2019年3月13日 18時) (レス) id: 6c83279883 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よしのや | 作成日時:2019年2月23日 17時

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