�� 空腹はピークを過ぎた ページ12
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「今後は、五年生と六年生が交代で監視を務めさせてもらう。私は六年の立花仙蔵だ」
「六年、潮江文次郎だ」
組を言わないのは、おそらく部外者へ情報を漏らさない為だろう。
まあ、組どころかこっちは所属委員会、血液型、星座まで知ってるから意味ないんだけどね。そんなこと口走った瞬間に攻撃されそうだから、絶対に言わないけど。
ついてくるように言われた先は、やっぱり食堂。
リスとして転生した時には見えなかった食堂の看板や廊下、壁にさえも感動し、期待を膨らませながら、私は食堂の敷居を跨いだ。
食堂のざわめきが止まり、皆の視線がこちらへと集結する。
「あぁ、噂をすれば」
誰かが小声でそう言うと同時に、席に座っていた八左ヱ門がものすごい勢いで立ち上がった。
「なんだ、竹谷」
文次郎の低い声が自分のすぐ背後から聞こえて、思わず背筋が跳ねるようにぞくっとする。
「あ……いえ、あの……」
流石に八左ヱ門でもその迫力に気圧されたのか、立ち上がった勢いとは裏腹にひるんで何も言えなくなったみたいだった。
「潮江先輩」
手を挙げたのは、雷蔵……じゃなくて、三郎だ。
「Aさんをこの席へ案内させてください」
三郎が指差したのは、八左ヱ門の隣。
六人で囲める席に五年生の五人で座っているから、ちょうど一人分席が空く。それが、八左ヱ門の隣だった。
「……あぁ、別に構わない」
文次郎がそう答えると、三郎がこちらに手招きをした。
立ったままだった八左ヱ門は、ゆっくりとした動作で少し椅子を詰めて座り直す。
私は緊張しながら、その隣に腰掛けた。
今、首を少し左に捻じれば、そこに本物の竹谷八左ヱ門の顔が見える。
その事実だけで心臓が飛び跳ねそう。うわぁぁよくよく神経を研ぎ澄ませたら肘が!!!!!! 当たってる!!!!!! 最高かよ!!!!
「なぁ、Aさん」
暴走しだした思考と食堂の静けさは、私の真正面に座る三郎によって終止符を打たれた。
「……あ、はい!!」
「敬語、使わなくていいよ」
勘右衛門がクスッと笑い、うどん髪が少し揺れた。
「あ……うん。 じゃあ、私のことも呼び捨てで大丈夫だよ」
「A」
三郎はあっさりと私の名前を呼び捨てで呼んでくれた。……ニヤけそうになる表情筋を止めるのに精一杯だ。
何か話しかけてくるのかな、と待っていたけれど――ふと、食堂がやけに静かであることに気がついた。
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よしのや(プロフ) - No.0さん» コメントありがとうございます、頑張ります!!(*´ｪ`*)最近更新頻度が落ちてて申し訳ないです、気長にお待ちいただけると嬉しいです…！m(_ _)m (2019年5月6日 8時) (
レス) id: fe1483e79b (このIDを非表示/違反報告)
No.0 - 始めてのジャンルだ〜！読むのが楽しみです！更新がんばってください！応援してます。 (2019年5月2日 22時) (レス) id: 70509151e8 (このIDを非表示/違反報告)
よしのや(プロフ) - ごままぐろさん» わぁぁありがとうございます、すっごく励みになります!!!!（〃ω〃）ところどころギャグ路線に走ってみましたが、真面目とギャグの温度差が物凄いことになってしまいました……笑 (2019年3月13日 23時) (レス) id: 6e21aa2086 (このIDを非表示/違反報告)
ごままぐろ(プロフ) - 天女ものとは少し違って、面白くて好きです笑 (2019年3月13日 18時) (レス) id: 6c83279883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしのや | 作成日時：2019年2月23日 17時
