拾壱話 ページ12
言い返そうとしたウソップを片手で制して、Aが一歩前へ出た。
その美しい顏に、見るもの全ての心をザワつかせるような怜悧な笑みを浮かべて微笑む。
『変更は無し、と言ったね。
ならば「トナカイくんが君達の船員に成ったから参加を認めない」のは、「選手登録をした時点からの変更」を行う事になる。
これって
私の出場を認めなければ君たちの言い分は破綻していることに成るけれど』
「ゲェッ…!!」
「考えたこともなかったな…」
「なんであんな淡々としてんだよ!!怖ェよあの姉ちゃん!!」
「一理あるわね…そうよ!Aが出たっていいじゃない!」
フォクシー海賊団は全員顔を付き合わせてヒソヒソと何事かを相談し始めた。
数分たって、役目を押し付けられた一人の船員がやっとのことで震える言の葉を紡いだ。
「だ、だからって…お、おまえは麦わらの一味じゃないだろ…!ぁ、です!!」
『?ルールには仲間以外の参加を認めないなんてどこにも書いてないじゃあないか。私が出場することも是の筈だね』
「ミ゚ッ」
そうだろう?と彼女が煽るように付け加えれば、船員は完全にノックアウトされてしまった。
こてん、と小首を傾げた仕草は大変可愛らしいが目は全く笑っていない。
「航海士の女も血も涙もねェと思ってたが、ソレ以上だ…!!」
「オヤビン!!あの女恐ろしい!!恐ろしいよォ!!……オヤビン?」
「スンマセン…問題ナイです…ダイジョウブです…ゴメンなさい…」
「「オヤビーーーーーン!?!?」」
Aの理詰めの口撃にすっかり萎縮したフォクシーはメソメソ涙を垂らしながら体育座りで縮こまっていた。
「アンタ凄いわね」
『ふふ、昔から口は良く回るのでね』
「どっちだって構わねェがお前、戦えんのか」
『荒事には慣れているのだよ。でなきゃ女の一人旅なんて土台無理な話だろう?』
ヘェ、と言ったきりゾロは興味を失ったようにそっぽを向いた。
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まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠 | 作成日時:2022年11月7日 10時