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シャチとペンギンが疲れ果て…眠っている少年はその2人にボロボロの布団を掛けて…私の前にドカッと座る…私の膝の上にいたシロクマは驚いてシャチ達の方へ行ったが…
『あ…あの〜…家に戻りたいんですけど…』
「…断る…怪我を完治してからだ…」
『ｯ…でも…！！』
何度も何度も頼み込んでも全然家に帰らしてくれない…窓をチラリと見ると、先程まではオレンジ色だった空が闇に包まれていて…父さんのことが脳裏にちらつき…冷や汗が止まらない…少年に、何とか頼み込んで…
「毎日通うなら…帰ってもいい…」
毎日…と聞いて約束出来るか分からない約束を少年として、重い体にムチを打って走って家に戻る…
いつもより多めに盗めたお金を父さんに渡すと、嫌いな手で頭を撫でられた…が…
「病院に行っていいなんて…誰が言ったかな…？」
綺麗に巻かれた包帯を雑に取られ…コンクリートの地面に思いっきり叩きつけられる…今日はどこで買ってきたのか知らないが…鉄製の…凹凸のある焼印…それは…まるで…天竜人が使う…あのマークにそっくりだった…
『ね…ねぇ…父さん…それ…何…？』
後ずさりしながら…真っ赤な焼印を持って…こちらに近づいてくる男に恐怖を覚えて…私は逃げ出した…
子供の足と大人の足…もちろん大人の足の方が速いため…すぐに捕まり…
『ねぇ…やめてよ…父さん…やめて…嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…もっと…お金稼ぐから…！！もっと…父さんの為に働くから…こんなんされるなら…殺してもいいからｯｯ！！！』
腰に…今まで感じたことのない熱さが広がり…その後、私の悲鳴が島中を駆け巡った…近所の人達が悲鳴に気付いて…父さんを殴って気絶させたが…
「ｯ…お前ｯ…実の娘に…なんて事をｯ！！！」
近所のおじさんが叫んだ…それに合わせて、どんどん人集りが出来る…私の腰に、あのマークに似たような焼き後が出来て…それを見る者は…全員手で口を覆っていた…
他にも…服がボロボロで…背中の傷や…痣が見え…そこにいるのが恥ずかしくて…恥ずかしくて…とても辛かった…気付けば…私は無我夢中に走って行った…
浜辺の方へ着くと…肺が酸素を求めて体全身で息をする…真上に広がるは…私を嘲笑うかのように光る星達…海の方を見れば全てを飲み込んでくれそうな大きな黒い海が広がっていた…起き上がって…黒い海に片足を突っ込めば…海の冷たさが身体中に広がった…
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作者名：モノべべ | 作成日時：2018年6月21日 20時
