七話 ページ9
びっくりした。
友達と話してたら急に元彼の話になって、私は居たたまれなくなり忘れ物をしたといって、来た道を戻って教室へいった。
教室へ行ったとたん、これまでこらえていたものが溢れ出てきてしまった。
教室でひとり泣いていたら急に後ろから聞き慣れた声がした。
「A」
びっくりして振り返るとそこにいたのは桃根だった。
見られたくないのに、泣きたくないのに、涙が止まらない。
するとふわっと爽やかで甘い匂いが全身を包んだ。
え?と思うと、上から声がした。
さ「好きなだけ泣けよ。ここには俺とお前しかいねーからさ」
『…も、桃根っ…』
私が名字を呼ぶと
さ「泣きやむまで居てやる」
なんでそんなに…優しくするの…っ
『…ばかぁ』
さ「へいへい」
と素っ気ないような返事だったけど
泣きやむまで私の背中をさすってくれてて
それが暖かくて…
ひたすら桃根の腕の中で泣きじゃくった。
泣き止んで落ち着いたから『ありがとう』
って言ったら
さ「あのさ…約束するから、絶対俺が守って約束するから」
さ「なにがあったか、俺に話してくんねぇ?」
その顔は今までにないくらい真剣で
きっと、今までにないくらい心配されてるんだろうなっておもった。
私だって話したい。
話して楽になりたい。
でも
また同じことが起きたらどうしようって
思うと
なかなか言い出せない…
それを察したのか桃根は
さ「最後までしっかり聞くから。大したことなくたっていい。」
そこまで言うと私の目をしっかり見て
さ「お前を守りたい」
『桃根…』
なにそれ…
そんなの…
言うしかなくなるじゃん。
それに今適当にはぐらかしたりしても
桃根は私の話を聞くまで離してくれないだろう。
言うしか…ないか。
大丈夫。
きっと桃根なら
信じられる。
もう我慢は
ため込むのは
うんざり
前みたいに
おしゃれして
笑いたいから
『分かった話すよ』
君なら信じてみてもいいかな
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作者名:はーちゃん | 作成日時:2021年9月14日 18時