四獣の王【usss】 (ページ19)

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「～♪」

鼻歌交じりに歩く坂田様はふわふわしていて、見てるとこちらまで楽しくなってくる。

あ、寝癖ついてる…

『ふふふっ』
「え、何〜？なんで笑ってんの〜？」

控えめにしたつもりが聞こえてしまったらしい。

『すみません、髪型が可愛らしかったので』
「え〜どういうこと〜？」

不思議そうにしながら自分の髪を撫でるとすっと寝癖が直ってしまった。

『あっ…』

すぐに直ってしまったので少し残念。

「あ〜！わかった寝癖ついてたんや！も〜悪い子やな！」
『わっ！』

坂田様にくしゃくしゃと頭を撫でられ今度は私の髪が乱れる。
慌てて頭を抑えていると、坂田様も自分の髪をくしゃくしゃしだす。

「これでお揃いやな〜」
『ふふっ、そうですね』

女としては良くない状態だろうけど、坂田様が満足そうなのでこれはこれでいいか。

「あ、坂田様！A様！」
「お、着いた〜」

また少し歩いていると前から従者が1人駆け寄ってくる。

「もう！探したんですよ！それにお二人ともなんですかその髪は！」
『すみません…』

ご最もなお叱りに謝るしかなく、しかも自分より年下であろう人に怒られるのは凄く申し訳ない…

「直しますから、少し屈んでください！」
『はい…』

しゃがむ為に手を離そうしたけど坂田様は離す気が無いらしく、左手だけが上にあるおかしな体勢のまま従者に髪を整えて貰う。

「はい、次は坂田様です！」
「うへ〜、真面目〜」
「お早く！」
「はいはい」

今度は坂田様がしゃがんで従者が手を付ける。

「あ、Aいた。てか何してんの」

坂田様が髪を直してもらっているとうらた様が現れた。

『うらた様、おはようございます』
「あ、うらっさんおはよ〜」
「うん、おはよ」

どう説明していいか分からないので、とりあえず挨拶だけしたものの、自分がよく分からない表情をしてる気がしてならない。

「Aあとで昨日の部屋来て、色々話すことあるから」
『はい、かしこまりました』
「んじゃ後で」

そう言って手を振りながら引き返していくうらた様を見送ると、髪の直しが終わったのか坂田様が立ち上がる。

「A様、支度がありますのでお部屋へ」
『あ、はい！』

従者の後ろをついて歩き出すと未だに繋がってる手。

『あの…』
「ん〜？俺も着いてく〜暇やし」
『あ、はい』

従者は特に気にする事もなく歩いていくので、これが坂田様の通常運転なんだろうなと納得してそのまま部屋に戻った。