2 ページ37
．
「…難しい選択だよね。
お家の方が望まれているんだから帰国するのが無難。」
「…ですよね、」
「でも、この仕事にもやりがいを見出だしている。」
「はい、」
「私もね、バイトの頃から知っているからこそ貴方に期待したい。
同期の誰よりも。」
…予想外の言葉だった。
Aさんがビーグルラインの誰かじゃなくて、僕が一番だったなんて。
「いつかまた一緒に働きたいと思っていたよ。」
「ありがとう…ございます。」
「泣かないでよ、」
小さな手が優しく僕の頭を撫でる。
余計に泣きたくなった。
一頻り、涙の波が引くのを待って顔をあげた。
Aさんの瞳に目と鼻を赤くした自分が映っていた。
「Aさんて、オンマみたい。」
「は！？
…ちょっとー！
人が真剣に話しているのに！！(笑)」
…照れ隠し。
そんなのも彼女にはお見通しで、肩を小突かれる。
一頻り、笑い合った。
「私の想いは今伝えた通り、
ギョンスとはずっと一緒に働きたいよ。」
“でも、貴方の夢はクリエイターなんだよね。”
問われた言葉、
素直に頷いていた。
「だとしたら、チャンスだよ！ギョンス!!」
“貴方ならできると思う。”
一寸の迷いもなく僕を見つめる。
貴女の言葉に何度助けられただろう。
アルバイトの面接も、入社試験も、
ヌナの異動と自分の昇進が決まったときも。
不安に打ちのめされそうになる度に
僕を力強く引っ張り上げて、背中を押してくれる。
貴女の瞳は僕の前で決して曇らない。
「親がどうとか、会社がどうとか、
そういうのも大事だけれど、
一旦それは置いておいて。」
目の前にある荷物を横に置く振りをする。
また目が合った。
「ギョンス自身はどう思うの？
やりたいか、やりたくないか。
素直に自分の心に聞いてみなよ。」
目を閉じて、考える。
までもなく答えは出た。
「やってみたい。」
「じゃぁ、がんばれ！
ギョンスの人生だもん、全力で応援する！」
「うん、ありがとう。」
「大学にも行く。
卒業するまでに売れっ子の新星になるよ。」
「うん！期待してる。
ギョンスならできるよ！」
そしたら、絶対また日本に来る。
Aさんに笑顔が浮かんだ。
瞳に映る僕も晴れやかな顔をしている。
“やりたいと思った日がスタート”
僕の新しい日々が始まる。
貴女との関係も新たに築かれていく。
もしまた迷ったとしても、
離れていても、
貴女に貰った言葉、笑顔を忘れない。
記憶の中で何度だって抱きしめるから。
．
Begin to walk ‐BH‐→←Each chapter -KS-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「EXO」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ageha(プロフ) - もっちさん» ありがとうございます！アンケートの御礼文を加筆しました。キュンキュンしていただけて何よりです！キャラとか大分崩壊してると思うんですが‥次はどうしましょうかね？(笑)とりあえず裏の続きを書きます(*￣ー￣) (2016年2月6日 11時) (
レス) id: 637dbcfcc6 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - もう、キュンキュンしかない！( *´艸｀)うふふうふふしながら読んでしまったよ＼(^_^)／ (2016年2月6日 10時) (レス) id: c74f559774 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ageha | 作成日時：2016年2月6日 2時
