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♭♭♭
二人して黙ったまま雨の中を歩く。
雨音が消してくれているはずだけど、
心臓の音がバレやしないか不安だった。
事務課の駐車場は道路を挟んだ真向かいだけど
他は住宅街のど真ん中にある
ここから徒歩10分くらいのところ。
ベッキョンくんの車まで来たらお別れ。
このまま傘だけ借りて帰ろうと柄に手を伸ばすと、
「向こうまで送るよ」
と声をかけてくれた。
「いいの？傘貸してくれれば歩くよ？」
「もちろんいいよ！任せて！」
「ありがとう!!」
この雨の中、送ってもらえるのはありがたい。
運転席の後ろに乗ろうとしたら、
「ヌナ、こっち座って！」
と助手席まで回ってドアを開けてくれた。
「‥ありがとう。」
「いえいえ、じゃ出発！」
普通、彼女以外は後ろじゃないの？
聞けないまま車は走り出した。
ほんの数分で駐車場に着いた。
「おかげで濡れずにすんだよ、ありがとう。」
「どういたしまして！」
「今度お礼するね」
ごめんね、と手を合わせれば目を丸くされた。
「大丈夫だよ、もう貰ってるから！」
「へ？」
「差し入れ‥ありがとうございます。」
目を伏せてほんのり頬を染めたベッキョンくん。
何であなたがそんな顔をするの？
「めっちゃ旨かったし、すっげー助かりました。」
俯いたまま、
頬を掻きながらボソボソと喋る彼は
本当にあの事務の花より男子なんだろうか。
「‥お口に合って良かったです。」
「あの、また作ってくれると嬉しいです。」
「はい‥」
ベッキョン君のために作ってきた訳じゃないし
ただのおにぎりだったんだけど‥
チラッと私を見上げた瞳が迷子の子犬みたいで
思わず頷いてしまった。
「濡れるからすぐ乗って」と言われ、
後ろ髪を引かれながらも自分の車へ。
エンジンをかけて前を向くと、
ひら、と手を振ってくれたから、
私も小さくバイバイした。
国道へ出て、信号で止まる。
思わずハンドルへ突っ伏した。
‥かわいいんですけど！
さっきのあれは無意識ですか？
それとも意図的ですか？
どちらにしてもしてやられたわ。
しかも照れてるのか分からないけど、
小さく へへっ と笑って
「Aさん、ありがとう。」
なんて言うもんだから
"シムクン"してしまった‥!!
事務のお姉様方に囲まれているときみたいに
べっちゃんモードであざとかわいい感じじゃなくて。
さっきまでのようにカッコイイ男の人って感じでもない。
‥あぁ、心臓がいたい。
近くで見るベッキョンくんは色々な魅力を持っていた。
♭♭♭
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ageha(プロフ) - てみさん» てみさん、こんばんは！コメントありがとうございます!!いつかヒロインにその台詞を言わせたくて‥相手はこのべっちゃんだな！と決めました。反応いただけて嬉しいです^^ 50話では足りない気もしますが365の皆さんが今後も幸せであることに間違いないでしょう！ (2020年10月21日 19時) (
レス) id: 77f3be5fed (このIDを非表示/違反報告)
てみ(プロフ) - agehaさん こんばんは！更新ありがとうございます！しうちゃん，べっちゃん編2作品読ませて頂きましたが，べっちゃん編のヒロインちゃんのプロポーズが男らしかった(笑)また最初から読み返してきます＾＾ (2020年10月20日 18時) (レス) id: 489d1a8928 (このIDを非表示/違反報告)
ageha(プロフ) - てみさん、こちらこそいつもありがとうございます!!喜んでいただけて良かったです。続きもがんばりますね！お楽しみに♪ (2020年5月4日 20時) (レス) id: 77f3be5fed (このIDを非表示/違反報告)
てみ(プロフ) - agehaさん。こんにちは！しうちゃん，べっちゃん編更新ありがとうございます！とっても嬉しいです。いつもありがとうございます！ (2020年5月3日 18時) (レス) id: 489d1a8928 (このIDを非表示/違反報告)
ageha(プロフ) - てみさん» てみさん！いつもありがとうございます!!皆さんがここで少しでも楽しい気分になれたら嬉しいです。外に行けなくてもそんな気分が味わえるよう模索中です。続き、もう少しだけお待ちくださいね！てみさんもご自愛くださいませ。 (2020年4月2日 22時) (レス) id: 77f3be5fed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ageha | 作成日時：2019年6月27日 2時
