エリート君、実感する。 ページ29
「あたしさ、実は君のこと苦手だったんだ。」
アパートの駐車場に着いて、A先輩のエスコートで車を降りた。
‥男らしいな！
車に背中を預けて腕を組んだと思ったら、第一声がそれだ。
こめかみがひきつる。
「それ本人を前にして言います？
ってか何で？」
無表情で言い返してもどこ吹く風。
先輩はあっけらかんと笑う。
「いやーイケメン過ぎるから？
モテオーラ全開で。
近づいたら自分のダメさ加減を思い知りそうで避けてたんだよね。
ごめん！」
呆気に取られた。
イケメンだから苦手とか初めて聞くし。
悪口のように聞こえるそれはよく考えたら男冥利に尽きると言うか、
「要はオレに惚れそうで怖かったと？
A先輩って変わってるくせに可愛いところもあるんすね！」
「ほら、それ！俺はモテる発言！ムカツク!!
皆が皆、君を好きになるわけじゃないからね！」
ビシッとオレを指差して憤慨するけど、それ可愛いだけだし。
「ハハッ、ツンデレかわいい！」
「はぁ？バカじゃないの、」
もう何言われても効かないから(笑)
敵わないと踏んだらしいA先輩は、諦めたように息を吐いて、オレと向き合った。
「とにかく！
今まで無意識とはいえ失礼なことしてごめんなさい。
チャニョル君とは音楽の話が合いそうだから、これから仲良くしてくれる？」
音楽仲間としてよろしく！
右手を差し出された。
「こちらこそ！
オレも日本の音楽をもっと知りたいです。
色々教えてください(^^)」
よろしくお願いします！
オレも先輩の手を握り返した。
グググ……
かたく握手を交わす。
「ちょ、痛いから！勘弁して!!」
「アハハ！オレの勝ちー！」
「全く！調子いいんだから！」
仕方ないです、それは。
だって、オレもあなたには嫌われてると思ってどうしたらいいか分からずに居たから。
ベクが「おれだけがヌナの良さを分かってるんだなー」なんて自慢するから。
悔しくて意地悪してしまった。
本当は仕事に年齢も性別も関係なくて、情熱が全てだと分かっています。
「オレこそ、今まですみません。
これからは先輩って呼んでもいいですか？」
「もう呼んでるじゃん！気づかなかったの？」
また驚くオレ。
「さっきA先輩って言ってた。
君は本当に尊敬できる人にしか先輩ってつけないから、嬉しかったよ」
「まじか‥」
「残念ながらマジです(笑)」
ベクや、オレはこの短時間ですっかりこの人のペースにハマってしまったよ。
ごめん！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ageha(プロフ) - もっちさん» ちなみに、今ミンソギヒョンが一番の推しメンです！ (2015年12月19日 0時) (
レス) id: 637dbcfcc6 (このIDを非表示/違反報告)
ageha(プロフ) - もっちさん» ありがとうございます！本当に勢いだけで始めたので、楽しんでもらえて嬉しいです。カイくんファイティン!!そして、今から次の方を投下しまーす！ネタ切れしたら萌えをください！ (2015年12月19日 0時) (レス) id: 637dbcfcc6 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - どうしよう！酔ったべくちゃんにもヤバ〜イ と思ったし、ドさんもやりおるな！って感心してたけど……しうちゃんがたまらなくステキング↑( *´艸｀)カイくん、頑張らないとしうちゃんがガンガン来ちゃうなぁ(笑) (2015年12月18日 6時) (レス) id: bd62209fae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ageha | 作成日時：2015年12月15日 6時
