カレシの事情 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:4,252 hit

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今日とて試合に向かうという彼女。
駅前の横断幕に書かれた文字を思い出す。

彼女はまた跳び始めていたのだ。
そして、誰よりも高いところを目指すのだ。

「見に行きたいな。」
「試合を？」
「うん。」

蝶みたいだったから、とは言えなかった。

「うーん、それは断る。」
「何でさ」
「ジュンちゃんに見られてたら
　恥ずかしくて窒息しそう」
「えー、キレイだったのに。」
「そう？ありがとう。」

いつかこっそり見に行こうと思った。

「試合の結果、教えてよ。」
「んー、勝ったら連絡する。」
「ふは、了解。」

電車で一駅なんかあっという間だ。

「あー、降りなきゃ。」
「だね。講習がんばって。」
「Aもね。ファイト！」

あのとき出来なかった分も込めて、彼女にエールを送った。

その夜。無事にメールが届いた。

【予選突破したよ。】
【明日も応援してるよ。】

明日も彼女がベストを尽くせるよう祈った。

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