M's cafe (ページ3)

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#KAI ページ3

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ヒョンがついに独立したらしい。
郊外に珈琲専門店を開いたと聞いて、
休みの日に遊びに行った。

駅から車で30分。

景色は山と田んぼと池？
でも、水面に山が映っていてきれいだ。
庭付きの立派な一軒家がぽつんぽつんと佇む中に
ヒョンのカフェがあった。

「すげー‥蔵だ。」

ギョンスヒョンが最近ハマっている日本のジダイゲキに出てきたような蔵を改装した一軒家？
分厚い木の看板に墨で【M's cafe】と書かれていて、なんだかおしゃれ。

「あんにょーん、ひょーん！きたよー！」

ガラガラと引き戸を開けて中に入れば、
カウンターでビックリした顔のヒョンと目が合った。

「な！おまえ来たのかよ！
　コーヒーしかないぞ、ここ。」
「甘いのもあるでしょ？
　はい、お祝いの花。」
「おー、サンキュ。
　いらっしゃい。好きなとこ座って。」

はーい、と返事してカウンターに座った。

「はい、どうぞ。」

お水をもらい、ありがとうと返事する。
手渡されたメニューを見れば‥

「ほんとにコーヒーばっかりだ！」
「豆工房なんだから当たり前だろ」
「うーん、あ！これは？」
「カフェグラッセ？
　アイスクリームの上からコーヒーかけたやつ。」
「おれこれにする！」

はーい、とウミニヒョンは頷いてカウンター横に並ぶ沢山の豆からワンカップ取り出すと、
ミルで挽いてペーパードリップっていうのを始めた。

「わぁ～、良い薫り！」
「だろ？」

得意気に片眉を上げながら笑うヒョンだけど、その目はとっても嬉しそうだった。

ロックグラスにバニラアイスを入れて、上からチョコレートでコーティングされたコーヒー豆を飾った。
ドリップの終わった熱々のコーヒーを上から注ぐ。

「おいしそう‥」
「ふは、もうちょっとで出来上がり。ほら。」

フィンガービスケット！

「見た目もかわいい！いただきます！」

仕上げに添えられたビスケットでコーヒーのかかったアイスクリームを掬ってみる。

「めっちゃ美味い！ひょーん、おいしー！」
「良かったな。」

カウンター越しにぽんと頭を撫でてきたヒョン。
‥僕もう子どもじゃないんだけど。
でも、いくつになってもヒョンに甘やかされるのは好き。
頭を撫でられるのも嬉しい。

だからさ、

「‥ひょん、女の人と同棲してるってホント？」
「ッ、ゴホッ、おま‥え、何で？」
「セフナが言ってたもん、
　ヒョン付き合ってもいない女の人と
　一緒に住んでるって！！」

♪。.:＊・゜