ダズル 2 (Kei)

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ふるふると、唇を震わせて出た言葉は

可愛げがなくて、憎たらしいもの。









私は至近距離から睨み上げ。

先輩は、ひどく思い詰めた表情をさせる。









.









「だって、私が勝手に出て行って、アイツに絡まれて、

全部全部、自業自得じゃないですか!









なのに、何で助けたんですか!

何で心配するんですか!」









.









私は一体、何をしているのだろう。









冷静にならないといけないのに。

謝らないといけないのに。









喧嘩腰で。

ただただ、憎まれ口を叩いて。









.









「それに、さっきのことだって、

先輩には関係ないことです…!









私は、先輩の彼女じゃありませんし、

私なんかより、冬美さんを心配したらどうですか!」









.









自分でも何が言いたいのか分からない。

これじゃあ、ただ“嫉妬”してるだけだ。









涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっていって、

逆ギレもいいところ…









.









慧「…うん。」









.









だけど、先輩は私の大人げない言動を

最後まで聞いてくれて。









.









慧「それは無理だぁ。」









.









いつもの調子で、

眉を下げて、へにゃりと笑う。









.









「…っ、なんで…」









.









だけど、その言葉が

ただのおふざけではないことは分かっていた。









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膝の上で、拳をグーにして、

スウェットにシワができる。









.









何で優しくするの…

何で怒らないの…









なんで、なんで……









.









慧「だってさ。」









.









綺麗な手で両頬を包まれて顔を上げられる。

必然的に、先輩と目が合わさって。









長い指は、頬を、瞼を、優しく辿り。

先輩はひどく切ない笑顔で祈るように囁いた。









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慧「俺の一番は、Aだもん。」









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