ダズル 2 (Kei)

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翌日。









今日は休講日で、お昼過ぎに起きた私は

ナツからメッセージが入ってることに気付いた。









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“今日の夜、一緒にご飯食べよ”

“Aの家で”









「私の家かい…」









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だけど、ナツには心配かけていたし

たまにはいいか。









話とか。

聞いてもらいたいし…









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「んんー…」









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グーと背伸びをしてボサボサの頭を掻く。









気だるく布団から起き上がり、

身支度をして、鞄を肩に下げて、外に出た。









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「なに作ろ…」









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スーパーに着いて

かごとカートをセットする。









寒くなってきたから鍋とか?

ちゃんこ鍋に、キムチ鍋に、しゃぶしゃぶ鍋…









材料は野菜とお肉と。

あとは、お餅と冷凍うどん…









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「うわ、トマト高っ…」









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野菜コーナーに寄って、

あれやこれやと見比べる。









お鍋だから、別にトマト入れるつもりはないけれど、

伊野尾先輩が好きだからいつもの癖で見てしまう…









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今頃何をしているのか。

どこにいるのか。









何で誰とも連絡を取らないのか

さっばり分からない。









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昨日、有岡先輩に励まされて、

ちょっと元気出たけれど…









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白米だったり、トマトだったり。









伊野尾先輩の好物見てたら

美味しそうにご飯を食べる先輩を思い出してしまう。









せめて、今、ちゃんとご飯を食べているとか、

無事なのか、分かればいいのに…









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「早く帰って来なさいよ…」









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あまりにも小さすぎる声は本人に届くはずもなく、

虚しく響くだけ。









……なに馬鹿なことしてるんだろう。

さっさと買い物済ませて早く帰ろう…









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全ての材料をかごに入れた私は

お会計をして、エコバッグに入れる。









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お鍋に必要ないトマトを買ったのは、

別に、伊野尾先輩がいつ帰ってきてもいいように

とかじゃないし。









ほうれん草を買ったのは、先輩が帰ってきたとき、

心配かけた罰として食べさせるだけだし…









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「…あの、すみません。」









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