ダズル 2 (Kei)

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「なっ…!」









.









ふてぶてしく言い放つ先輩に

途端に顔を真っ赤にする元カレ。









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"つまらない"









かつて、私が言われた言葉だった。

何度も、言われた言葉だった。









だけど、その度に先輩が慰めて、

私の代わりに、言い返してくれた。









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「…っ。」









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そして、また助けてくれた…









.









「コイツ…」

慧「あ、自分がつまらねぇ男っていう自覚、あった?」









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先輩はさらに追い打ちをかけるように

薄っすらと口角を上げて微笑む。









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「あの…」









.









慧「ふは。Aがそんな男と

知り合いなわけないかぁ。









Aはつまんなくないもん。」









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小馬鹿にしたような

余裕の笑みを浮かべる先輩。









元カレはその視線に飲まれて

みっともなく、口を開けて立ち尽くしていた。









・









店内に立ち込める重苦しい空気。









お客さんも増えてきて、

多くの好奇心の目で見られる。









.









慧「……ふぅ。」









.









そんな空気に、先輩は元カレを

冷たく見下すように、息を吐き。









それから、ケロッと笑って、いつもの調子で

私の手をきゅっと握った。









.









慧「…知り合いじゃないみたいだね。

A、帰ろ?」









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