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***
「怨めしやー…」
「ひぃぃいい!」
.
…前言撤回。
私はがくがく震えながら
小さく体を丸めていた。
.
「もうむりむり!消して!」
慧「始まったばかりじゃん。」
「ほんっとに無理なんです…!」
.
顔を両手で覆い、指の隙間からかろうじて見える画面。
映るのは、髪の長い不気味な女。
画面全体が暗く、流れる音楽は
身の毛もよだつ音色で…
ようするに、ホラー映画だった。
.
「せんぱい、こういうのが好きなんですか…」
慧「んー?好きだけど?」
「あ、有り得ない…」
.
画面いっぱいに映る薄気味悪い映像。
目を瞑っても大音量の台詞や
悲鳴が無理矢理入ってくる。
.
何が面白いのか、伊野尾先輩は
うひゃひゃと笑っているし…
.
「どこが面白いんですか…」
慧「え、面白くない?」
「全然面白くないです…!」
慧「ふぅん…」
.
よく分かんねぇ、みたいな感じで
先輩が私の頭を撫でる。
それに少しほっとしたのも一瞬で、すぐに
テレビから聞こえてきた女性の叫び声に肩を浮かせた。
.
“呪ってやる…!”
「きゃーっ!」
.
画面いっぱいに女の人が映って
思わず伊野尾先輩にしがみついてしまった。
.
慧「あら大胆。」
「うるさい…!」
.
んふふ、って嬉しそうに笑うから
先輩の胸にポンッとグーパンチをぶつける。
こっちは怖がってるのに
なんでそんな楽しそうなの…
.
「もう!消してください…!」
慧「えぇ。」
「えぇじゃない!消すの!」
慧「はいはい…」
.
ちぇ、と分かりやすく唇を尖らせて
DVDを取り出す伊野尾先輩。
よかった。
やっと終わった…
.
慧「Aってホラー系苦手だったんだね。」
「そうですけど!悪いですか!」
慧「何をムキになってんの。」
.
膝を抱えて座り、口元を隠すように
先輩はクスクス笑う。
この顔、絶対からかってる…!
.
「もう寝ます!」
慧「え、早くね?」
「寝るんです!」
慧「ふぅん?」
.
のんびりした先輩の声。
私は大声で叫ぶと、グンっと立ち上がり
そのままの勢いで寝室へと入った。
.
慧「あんなの見て、一人で寝れるのかねぇ…」
***
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まりも(プロフ) - ふるどけいさん» わわ、そう言ってくださり嬉しいです(///ω///)はい、卒論頑張ってきます! (2019年9月4日 21時) (
レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
ふるどけい(プロフ) - 伊野尾先輩のアンニュイな感じが伝わってきていつもきゅんきゅんさせられています(´艸｀*)就活の次は卒論で大変だと思いますが、頑張ってください! (2019年8月26日 23時) (レス) id: 8d66199de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
| 作成日時：2019年4月28日 23時
