【Wrwrd!】推しは眺める派のモブなんですが？ (ページ6)

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『し、失礼します～…。』

どうも！お前車より速いだろ？ってスピードのゾム氏から姫抱きされて
ホ☆モ☆の☆神が待っている保健室へ連行された錦戸 Aです！

zm「ペ神居らへんわ…。どうする？」

やっと降ろしてくれたと思ったら、次は私の頭を撫で回すゾム。
やめて、本当に(切実)

保健室に来たは良いものの、肝心のホ☆モ☆の☆神が居ない。

『ほっも～♪ほもほも♪ほっもの神いぃ～♪』

その場で即興で作った歌を歌えば、ゾムは大爆笑。
何だか楽しくなって、ゾムと話していると、

？？？「うっせぇな…。ラブラブすんなら他所でしろや。」

と、誰かが入ってきた。
その人は、黒髪ロングを肩ら辺まで垂らしていて
ゾムを見た瞬間、げっ…と言う顔をした。

zm「美桜！居ったんか！！？」

その人は、美桜(ﾐｵ)と言うらしく、何だか目つきの悪い人。
ゾムは楽しそうに笑って美桜さんに抱き着いた。
美桜さんが嫌がってもゾムは離そうとしない。
美桜さんは、溜め息を漏らしてゾムを見た。

『あ！成程！美桜さんって主人公なんですね！』

zm「は？」

分かった。多分、美桜さんが乙女ゲームの主人公だ。
最初見た時は気付かなかったけど、良く見ると美人だし。
それに、ゾムは美桜さんが好きそうだし。

『私、もう尻痛う無いわ！先、教室戻っとるわ！！』

ここはモブらしく。さっと出て行こう。

本当は勘違いしそうだった。もしかしたら、私が主人公なのかなって。
もしかしたら、我々だの皆に愛されるのは私かもって。
参考書で見たあのモブの文字は、もしかしたら見間違いなのかもって。
そうだ。そうだよ。推し達に恋愛感情なんてもっちゃいけないんだった。
所詮モブの私が。ちょっと優しくされただけで調子乗っちゃって。
何だか恥ずかしいな。

zm「A！ちょっと待ってぇや！診てもらわんと…！」

唇をキッと噛んで。

ゾムの声なんて聴こえないように。

勢い良く保健室の扉を閉める。

『尻痛てぇ…。教室戻りたくねぇ…。』

ぽろぽろと出てくる涙を拭う。

初めて来た学校だし、屋上とか行ってみるか。
良いよな。今日くらい。
サボるのは罪悪感あるけど、別に兄さんの授業じゃないし。

『屋上へごー…。』

涙を流したまま、私は歩き出した。