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廿伍頁 ページ26

外に出てると、微かに潮の匂いが感じられた。


「………んー…」


しばらく手のひらに収まっている釘を見つめ、適当に草むらへ投げる。

治の云う通りに捨て、建物に入ろうとして足を動かす。


そして、中から聞こえてきた話し声に止まった。


「3年……もうそんなにたつのか」


森の依頼で、ポートマフィアに協力し初めてから。




修治は、ポートマフィアの構成員でも、太宰治のような立場でもない。

強いてこの立場を言葉で表すのなら、修治は森鴎外の『信用できない手駒』だった。


言動は十歳にも満たない幼い子供のようで、常にふわふわとしている。

だがしかし、妙に的を得ている発言をしたり、2日3日程姿を消していたりする事があるのだ。


そして何より厄介なのが、異能力の存在だった。


修治の異能力を森は完全に把握できていない。

修治にその内容を聞いても、いつもはぐらかされてばかりなのだ。

それ故に修治は森に、ポートマフィアの中で誰よりも信用も、ましては信頼もできない相手だった。



「……治、どうするかな」


そんな評価を知ってか知らずか、修治はそう呟いて建物の中に入る。

中也が蘭堂を一階に叩き落とした轟音を聞き届けてからの事だった。


__

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ロト - よみさん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても光栄です。続きが気になる作品だったなんて本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
よみ - 受験頑張って下さいね。とても、面白くて、続きが気になる作品だと思っているので、早く二月になれ!っと祈りながら、更新お待ちしております。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 587f0ad974 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロト | 作成日時:2019年8月1日 18時

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