【文スト】青色のお伽噺【男主】

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まるで、水中から浮上するように目が覚めた。


いつも通り真っ白で清潔が保たれた静かな部屋。


窓の外から聞こえる鳥の声が少し煩わしい。


「………………？」


頬を何かつたう感覚。


「………ぁ」


気付けば次から次へと流れ落ちる涙。


「………っ……」


いくら止めようとしても止まらず、更に流れ、ぽたりと白いシーツに染みを作る。


ずっと、そうだ。

何故か幼少の頃から夢から覚めると涙が勝手に溢れ、次に悲しいと云う感情が心の全体を埋め尽くす。


夢のことなんか、覚えていないのに。


「……ぐ……ぁ、う」


ああ今日もまた、泣き虫で情けない朝だ。




これから、『聞き分けの佳い可哀想で健気な息子』を演じなければならないというのに。

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