【文スト】太宰治の奮闘記録

王道ストーリー ページ4

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只出会って、自然に互いを慕うようになって

最終的には必ず結ばれる


そんな王道も甚だしい恋に、女性は憧れるらしい


そして彼女も例に漏れず



『私あんな素敵な恋がしてみたいです』

「鑑賞者がそう思うように創られてるからね、恋愛映画というものは」



二時間弱、終始キラキラと目を輝かせてスクリーンに釘付けだったAは、今も余韻の中

途中で手が止まって食べ残ったホットドックを頬張り乍ら、あーだこーだと感想を零している


『正に女性の憧れです、監督天才』

「そんなに善かった？」

『間違いなく今年一番の感動でしたよ！』

「そう」


口の端にソースを付けて熱弁する彼女は、間違いなく今年一番の可愛さだ


そんな彼女に無意識で手が伸びた事に、触れる前に気付いたけど構わず進める



「したい？あんな恋」

『勿論！したいで、す…』


こちらを向いたAの、口の端のソースを拭ってやると、少し目を見開いた




「――なら私が、君をヒロインにしてあげようか？」




これは決まった


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