41days ページ42
Aside
長い長い、夢を見ていた気がした。
A「_____ん、」
重い瞼を開けると、真っ白な天井が目に入った。
起きようと思い、体を起こす。
A「え、あれ、動かない」
腹部も痛む、が、それ以上に体に何か別の重みを感じた。
及川さんが、私の手を握って眠っていた。
及川さんの存在に気づいて、私は酷く安堵した。
私は、及川さんを守れたんだ。
私は死ななかった。
彼の辛い記憶をなぞらずに済んだんだ。
A「…よかった、」
お腹はまだ痛いけど、今ここで生きている事の方が大事。
及川さんの顔を見ると、瞼が少し腫れていた。隈もすごい。
多分、私が起きるまでずっと不眠不休だったのだろう。
私は何日眠っていたのだろう。
携帯を探す為に及川さんと反対方向に体を動かすと、及川さんが声を漏らした気がした。
あれ、携帯ないじゃん。もしかして及川さんが持ってる?
A「及川さん、私の携帯、」
及川「A!!」
及川さんの方を振り向いた途端、及川さんにこれでもかと言う程強く抱きしめられた。
及川「もう!!ほんとなんなのさ!
なんで俺をかばったんだよばか!!
また同じ過去を繰り返したら、俺…
……っ、心配したんだからな!」
初めて聞く、及川さんの怒鳴り声。
不思議と怖いとは感じなかった。
A「…及川さん、私って何日眠ってました?」
及川「……第一声も可愛くない奴、
…丸3日、お前は目を覚まさなかった。
…………ごめん、A。
Aがこんな目にあったのは、どう考えてもお前のせいじゃない。俺のせいだ。
俺がもっとちゃんと、周りを見てたら、こんな事には、」
今にも潰れそうな枯れた声で私の耳元に話しかける。
A「……こんなの、これから一緒に居たらしょっちゅうでしょ。
もう今更ですよそんなの。
私は、及川さんと一緒に居ることでこんな目にあったって、この先絶対に、一生、
後悔なんてしません。
貴方が引きずる過去だって、
私が取り去らってみせる。」
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太宰亜里沙(プロフ) - 水上灯さん» そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2022年8月28日 0時) (レス) id: 742fb4603b (このIDを非表示/違反報告)
水上灯 - すごく面白かったです!かっこいい! (2022年8月28日 0時) (レス) @page48 id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - しろ苺さん» 描写褒めて下さるのほんとに嬉しいです、、!!ありがとうございます! (2020年4月3日 7時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
しろ苺(プロフ) - 夢主が撃たれた所の雨の描写が良すぎて、、どの場面でも適切な情景が書かれていて素晴らしかったです! (2020年4月3日 1時) (レス) id: 460e1881d0 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - ゆうさん» そうなんですね!そういう方って本当にいらっしゃるんですね…ゆうさんの存在がお相手さんの救いになるよう、お願っております! (2020年3月13日 16時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年2月22日 17時