隠れんぼ ページ22
Aside
A「はっ、はっ、はっ、……」
目が覚めると、心臓の音がやけに近くに聞こえた。
全身から汗が吹き出して、涙が頬をつたる。
______やっぱり、薬を飲んでおくべきだった___
あんなに鮮明に夢に出てきたのは本当に久しぶりで、恐怖心が全身を蝕んだ。
「大丈夫?A、凄いうなされてたけど…」
お母さんがノックして部屋に入ってくると、心配そうな目で私を見つめた。
A「う、うん…大丈夫、」
恐らく私の顔は今真っ青だと思う。
私はゆっくりベッドから起き上がる。
「…今日、学校休んだら?」
A「ううん、大丈夫、部活もあるし」
私はお母さんの提案をやんわり断り、制服に着替える準備をした。
ご飯を食べている時ですら微かな震えは止まらなくて、私は重い気分のまま学校へ向かった。
・・
侑side
体育館に行けば、当然のようにAはいた。
A「おはよ〜!」
侑「おーっす」
治「おはよー」
Aの笑顔には少しばかり違和感はあった。
まるで仮面みたいや。
俺と治はモップを掛けていれば、Aは黙々とホワイトボードに今日の練習内容を書き込んでいた。
侑「A〜そこモップ掛けるしちょっとどいて〜」
A「あ、はーい!」
Aは床に置いていたノートやらなんやらをかき集めて俺らがモップ掛けるんをよけた。
バサ、
Aがベンチある所に移動する時、1冊のノートが落ちた。
侑「あ、A、これ落ちたで_____」
それは、たまたま目に飛び込んできた。
偶然開いていたそのページの文字に、俺は釘付けになった。
○月✕日 (△)
今日もまたあの夢を見ました。
いつまで経っても私の頭からあの男の顔が離れません。
もう一層、死んだ方がマシなのかもしれない。
私はいつまであの悪夢を見なければいけないのでしょうか。
誰もわかってくれない。誰も助けてくれない。
同情なんてものも要らない。
今日も眠れなさそうなので薬を飲みます。
どうか今日はいい夢を見れますように。
頑張れ私、負けたらあかん!
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太宰亜里沙(プロフ) - さっくっさくしたさくりさん» ありがとうございます!そんなふうに言っていただけて嬉しいです! (2020年12月24日 20時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
さっくっさくしたさくり(プロフ) - そういうことか、、!日記がところどころひらがななのもん?ってなりましたし、読みながら夢主ちゃんの過去を推理するのもとても面白かったです!!ちなみにめっちゃ泣きながら読んでました() (2020年12月24日 18時) (レス) id: 3f7f9b4577 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 夜桜さん» 嬉しいです!ありがとうございます!お時間があればぜひ、見返してみたりもしてみてください〜〜!!! (2020年6月4日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - わあああ。ものすごく面白かったです!けど、日記のやつ、なんかありそうだけどわかんないいいい。平仮名で書いてるところかなーって思ったけど、単細胞の私にはわからなかった!話ずれましたが、とても面白かったです!これからも応援してます! (2020年6月4日 19時) (レス) id: 527f5d1e86 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - はちみつあめさん» そう言って頂けてとても嬉しいです!最後まで見て下さりありがとうございました!! (2020年6月4日 18時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年5月11日 21時