重なる。 ページ38
炭治郎side
車を降りて倉庫を警戒していれば、Aのくぐもった声がかすかに聞こえた。
倉庫の二階に上がる、そこには男が4人いて、俺の部下が銃で足を打ち、戦闘不能にさせて拘束した。
炭治郎「A、すまない。本当に、すまない、」
倒れたAにそう声をかける。
俺たちの仕事上、無闇矢鱈に救急車は呼べない。
いつも良くしてもらっている所謂「闇医者」がこちらに向かってきてくれている。
炭治郎「酷い怪我だ……っくそ、俺がもっと早く来ていれば。
いや、俺が、Aを突き放したりなんてしなかったら、こんな事には____」
Aの怪我を確認する。
一番深いのはおそらく腹部の刺傷だ。
他には腕と太ももを刺されていた。所々打撲の跡もある。頬も殴られ、吐血していた。
正直、この怪我で生きているのは奇跡に近かった。
鼓動が早くなる。呼吸をするのも苦しい。
頭が痛い、血の匂いが頭を支配する。
赤色の記憶が蘇る
ひゅうひゅうと窓から吹き荒れる風は、その場の吐き気がする匂いを、幾分か紛れさせてくれていた気がする。
幸せが壊れる時はいつも、この匂いがした。
炭治郎「ああ、A、お願いだ、死なないでくれ______
君に、話さないといけない事があるんだ___
これが全て終わったら、聞いて欲しいんだ___」
Aの瞳を見る。
涙を流した虚ろな瞳がこちらを向いた。
A「_____ん、」
そう呟いてAは優しく微笑んだ。
Aの苦しそうな、でも幸せそうなその表情を見て、俺は堪らない気持ちになって、血だらけの唇にキスを落とした。
_________________
余談ですが、今回のお話の途中、「ひゅうひゅうと窓から吹き荒れる風は〜からいつもこの匂いがした。」までの文は、この作品の1話目に繋がっております。
クライマックスです。最後までお見守り下さい。
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太宰亜里沙(プロフ) - 司アマネさん» ありがとうございます! (2021年5月2日 17時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
司アマネ - この作品大好き!もっと読みたかった〜!クライマックスが最高!これからも頑張ってください!応援してます(^○^)! (2021年5月1日 18時) (レス) id: 9335ee8fbd (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 夢見 腐愛さん» ありがとうございます!!頑張ります! (2021年2月1日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
夢見 腐愛(プロフ) - 太宰亜里沙さん» もう終わった?!もっと読みたかった!とても面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2021年2月1日 19時) (レス) id: c181f4e3a0 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - (*´∇`*)さん» ほんとですか!めっちゃ嬉しいです!こちらこそありがとうございます〜! (2021年1月28日 10時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年12月29日 18時