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黒くて、赤い人 ページ4

Aside




頭上から降ってきたその声に、私は「はい、私です。」と答えた。



そういうと、声の主はしゃがんで私の顎を手ですくった。



ぱちりと、赤い瞳と目が合った。



 



炭治郎「綺麗な顔をしているんだな。俺は竈門炭治郎。君の婚約者だ。よろしく。」




ハイライトの入っていない深紅の瞳が、ゆっくりと弧を描いた。
優しい微笑みのように見えて、狂気の笑みにも見えた。




炭治郎「急な訪問、悪く思う。彼女にすぐに会ってみたかったんだ。」



「い、いえ、そんな滅相もございません!こんな娘ですが、どうぞもらってやってください!」


父は土下座をしたままそう話す。
恐ろしいとか、怖いとか、そんな雰囲気が父から湧き出ていた。




炭治郎「素敵な女性だと思いますよ。冷静で大人しくて、言うこともしっかり聞いてくれそうだ。」



A「……はい?」





最後の一文はなんだ。
まるで私を侮辱するような発言だ。




私がその人を睨みつけるように見ると、彼は面白そうに笑った。



炭治郎「いいなあ、その目。」


そういった彼は立ち上がって私の手を引いて立ち上がらせた。


「たっ、大変申し訳ございません!うちの娘が飛んだご無礼を……!」



父がそういうと、竈門さんはふっと笑った。



 






炭治郎「はは、何言っているんですか。







 





 




自分の家柄とプライドを守るために、大事な娘さんを私に売ったのはあなただ。




自分の娘だなんて、言う資格はないんじゃありませんか?」









竈門さんから発せられた言葉に、私は心臓が波打った。



恐る恐る父のほうを見ると、父は気まずそうな顔をして目を合わせてわくれなっかった。





A「……本当なの?」





「……竈門様が、お前を売り渡せば向こう10年分の金銭の援助をすると言ってくださったんだ。


最近会社のほうも傾いてきて、このままだと100年続く篠崎家の名誉に傷がつく…。


お前なら、わかってくれるだろう…?」





こんなに弱弱しい父を見たのも、今日が初めてだった。







 

A「……さようなら、お父さん。」





悲しさも、怒りも、何も浮かばなかった。


そのあと、気づけば竈門さんの隣で車の中で揺られていた。

今日はいろんなことが起きて、頭の整理が追い付かないなあ。


そのまま浅い眠りに落ちた。





目が覚めたら、元の生活に戻っていたらいいのに。





眠る間、私の頬に生暖かい水が伝った気がした。

。→←待って?



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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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太宰亜里沙(プロフ) - 司アマネさん» ありがとうございます! (2021年5月2日 17時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
司アマネ - この作品大好き!もっと読みたかった〜!クライマックスが最高!これからも頑張ってください!応援してます(^○^)! (2021年5月1日 18時) (レス) id: 9335ee8fbd (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 夢見 腐愛さん» ありがとうございます!!頑張ります! (2021年2月1日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
夢見 腐愛(プロフ) - 太宰亜里沙さん» もう終わった?!もっと読みたかった!とても面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2021年2月1日 19時) (レス) id: c181f4e3a0 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - (*´∇`*)さん» ほんとですか!めっちゃ嬉しいです!こちらこそありがとうございます〜! (2021年1月28日 10時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年12月29日 18時

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