影山が大好きな奥さんの話。【影山飛雄】【HQ】 (ページ16)

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影山side

A「あ、そいえば、今日は練習とかないの？選手の」

影山「今日と明日はオフだから大丈夫だ」

A「そっか、よかった、タイミングバッチしだね」

そう言ってしばらくまた沈黙が走る。

高校生のAとの沈黙も気になる事は基本ない。
穏やかな時間が流れる中、俺はふとある事を考えた

…俺、今未成年に手出してるってことか…？

深くは考えずにその思考を頭から追い出すと、Aが口を開いた。

A「そうだ。こっちの私は影山のに満足してるの？」

影山「？俺の何にだ」

A「そりゃあもちろん、夜の方だよ」

二重のくっきりした瞳が俺の瞳を貫いた。

全て見透かされているような瞳

これは、大人になっても変わらない。

影山「…まあ、そうなんじゃねえの」

A「え～つまんないの～

高一の影山なら絶対照れてたとこじゃんか～」

つまらない、とは多分俺の返答の事だろう。
Aは肩を落として俺のいれたコーヒーをすすった。

影山「…大人のAは、コーヒーあんまり飲まないんだけどな」

A「へえ、そうなんだ

…元彼が好きだったからかな

もしかしたら、今の私の一種のケジメなのかもよ」

初めて聞いたその言葉

そもそもAから昔の恋人の話なんてめっぽう聞かないし、俺も大して気にした事が無かったから聞こうとはしなかった。

A「聞いてなかったんだ。まあ私そうゆうのあんまり言わないしね

コーヒー飲まなくなった理由だって、今の私はもう忘れてるかもよ」

それよりさ、写真とか無いの？
私と影山の結婚式の写真

俺はAにそう聞かれ、本棚から真新しい結婚式の小さなアルバムを取り出した。